590: おさかなくわえた名無しさん 2011/04/29(金) 07:57:47.10 ID:R5i1pGnV
強迫性障害、というのかよくわからんが、年々酷くなっている。

・外出するときに二回は必ず、火元とドアの施錠を確認しないと落ち着かない。
・買った野菜に虫がいたことが数回あり、それ以来レタス・キャベツなどの葉球する野菜が
丸ごと煮たりとかが出来ず、必ず一枚一枚剥がして確認しないと気がすまない。
・毎日するような作業(家でも仕事でも)が途中で止められると、最初からやり直したくなる。
・九分九厘大丈夫なんだが、作業した後に失敗してないか酷く不安になることがあり
結局もう一度見なおして安心したりする。

いい加減疲れてきた。




591: おさかなくわえた名無しさん 2011/04/29(金) 09:04:27.39 ID:TYqcUlsV
>>590
強迫神経症(強迫性障害)歴20年以上の経験から回答させてもらいます。

掛かった病院、クリニック、カウンセリングの件数は20近くあり、ほとんどが
無駄に終わった中で、最も説得力があり、快方に向かうきっかけとなった説明を
書きます。

結論から言うと、脳の中の帯状回と尾状核という部分が働きすぎる(=暴走する)
ことが原因です。これらの部分は「ここは危険だから注意しろ」という警告を
発して「じゃあどうすればいいか」という選択肢を提供する機能があります。
(例: 夜中に物音が消えたから注意しろ → 様子を見に行く・隠れる・助けを呼ぶ)

危険だらけの原始の時代に発達した部分なんですが、ここが暴走する(働きすぎる)と
あらゆるものに危険・不安を感じるようになり、特に漠然とした不安で、具体的に
対処のしようがないものだと、特定の確認行為を行うことで自分を納得させて安心
しようとします。

これがカギを何度も確認したり、キャベツの葉を1枚ずつ確認したり、という行為に
なります。あなたの場合はまだ軽い方(少ない回数で安心できる方)で、症状が
ひどくなるとカギを20回確認したり、キャベツの葉を1枚ずつ虫眼鏡で確認したりと
いう状況で、普通の生活が営めなくなります。

長いので続きます。

592: 591 2011/04/29(金) 09:11:51.76 ID:TYqcUlsV
続きです。

また、症状が複雑にこんがらがってくると、「カギをかけ忘れたのではないか?」という
具体的な不安から、「何か悪いことが起きるのではないか?」というような、具体的な対処の
しようがない不安に進んで来ます。

こうなると、自分で作った「儀式」を行うことでその不安を鎮めるようになります。症例と
しては、「留守の間に電気ポットが過熱して火事になるのではないか」という不安をぬぐい
きれず、「出掛ける前に “ポットさん、行ってきますね" と電気ポットに10回声を掛ける」と
いう「儀式」でその不安を解消する、と言ったものがあります。端から見るとキチガイそのもの
ですが、統合失調症などと決定的に異なるのは、やっている本人自体が「これは非常に奇妙な
行為だ」という認識を持っているということです。

つまり、電気ポットに話しかけることなど馬鹿馬鹿しくてくだらないし、自分でもやめたいと
強く願いつつも、不安な気持ちをおさめるために仕方なくやっているということです。

「やめたきゃやめればいいじゃないか」というのが大半の人の意見であり、ごもっともなのですが、
そこでやめられないのが病気、ということです。まず、一般の人には理解されません。なので
強迫性障害の人は皆辛い思いをしていますし、社会から阻害されたり、時には家族からも
絶縁されることもあります。それでも強迫性障害の人は「自分がこういうことをしているのが
悪いんだ」と思い込んでしまいます。そこでもさらに「だったらやめろよ」という厳しい声が
追い打ちを掛けます。

さらに続きます。

593: 591 2011/04/29(金) 09:25:44.77 ID:TYqcUlsV
著名人にも強迫性障害を持っている人は多く、最近ではイングランドのベッカム選手が
強迫性障害であることを公表しています。古くは米国の大富豪ハワードヒューズが酷い
強迫性障害で、彼の場合は巨万の富を持っていたことが逆に災いしました。彼は細かい
スケジュールを決め、「9時15分、爪を切る。9時30分、1回目のシーツ替え。9時45分、
爪を切る・・・」と言った儀式を毎日繰り返していました。そして何十人もの召使いに
その儀式の手伝いをさせていたのです。世間は彼を「お金で人を思い通りに動かそうと
している」と非難し、その非難の中で生涯を終えました。

このように、儀式を最優先させ、自分がそのいいなりになると、どんどんエスカレートして
行きます。逆に、儀式が思うようにできないような環境に置かれると、症状は軽くなって
行きます。儀式ができない分、簡素化して自分を納得させるようになるからです。以前は
「軍隊に入ると治る」と言われていたほどです。

具体的な治療方法としては、「儀式を行いたい」という気持ちを無視するように努力する
ことです。カギを確認するのは1回まで、もしくはカギを掛けたら確認しない。キャベツも
常識の範囲内で洗うだけで1枚ずつ確認したりはしない。「それでも悪いことなど何一つ
起こらないじゃないか。いままでの儀式は無駄だったんだ」と自分で実感することです。
さらにもう一歩進んで、仮に悪いことが起きても気にしない、というようになればかなり
改善されたと言えます。カギを確認しなくて、かけ忘れたことがあっても「いけね、失敗
しちゃった」と軽く受け流したり、また青虫がいても「げっ、またいたよ」で済ませることが
できれば良いということです。

言葉で書くのは簡単ですが、実際には難しいです。「気の持ちようで治るなんて病気じゃない
だろう」という嘲りの声も実際に聞かれます。ですが、すべては「帯状回と尾状核が暴走している
だけであって、本当の危険・不安ではないのだ」と認識し、自然とそういう無意味な「不安」を
無視できるようになることが快方への道です。完治ということは無く、一生、上手に付き合うしか
ありません。これらの部分の働きを抑える薬もあるようです(薬については病院で相談してください)。

少しでもお役に立てたら幸いです。

621: おさかなくわえた名無しさん 2011/04/29(金) 23:29:38.22 ID:AeQXZbUn
>>590
身内が鍵を気にする人だった。
あなたが一人暮らしだと難しいかもだけど、誰かと住んでいるなら、一緒に出るときに
「鍵かけたかな」「火の元閉めたかな」と不安になったら言って「一緒に私が確認したから
大丈夫。かけたよ・閉めたよ」と毎回言ってもらう。
あるいは、誰かに(自分宛でもいい)毎回出るときに「かぎ掛けた・火の元閉めた」と
メール送信してから出かける。不安になったらその「かけた証拠」を見て安心できる。


671: おさかなくわえた名無しさん 2011/04/30(土) 21:25:13.44 ID:FfsSBZ5j
>>590です。

>>591
詳しくありがとう。
そう、不安が常にある状態なんですよね。
規定通りの確認行動で自分を安心させてる状態。
確認する順番も決まってる。
それが途中で邪魔されると最初からやり直したり。
確かに確認したはずなのに「待てよ?本当に大丈夫?」と自分に
疑問がわく。

ベッカム選手もだとは知りませんでした。

実際に、その「儀式」を減らすにはかなりの勇気がいりそうです。
症状が軽いときと重いときがあり、軽いときは本当に気にならないのですが
症状が酷いと万事が気にかかり、すべてにおいて確認作業を行ってしまい
一日が終わるころにはヘトヘトです。
自分でもなにやってるんだろうと自問することがよくあります。

レスをいただいたことを参考に、病気と上手く付き合えるよう、色々と試してみたいと思います。
丁寧にレスいただいて感謝します。ありがとうございました。

672: おさかなくわえた名無しさん 2011/04/30(土) 21:30:56.96 ID:FfsSBZ5j
更に>>590です。

>>621
レスありがとうございました。
残念ながら一人暮らしなので、症状が酷くなった頃は心配で会社行くのに
駐車場からまた逆戻りして確認とかしてました。
今は二回確認することで自分で終わりにしてますが・・・

メールの案は実はよく似たことをしてます。
写メとって証拠を残すことをしてたりします。たまに。
同じような人が一杯いることにちょっと安心しました。
先日も友人に、車の鍵掛けたかどうか不安になって戻ったのを
「おかしいんじゃないの?」と言われて、その通りなんだけど凹んじゃったんで
レス貰えて嬉かったです。

引用元: ・スレを立てるまでに至らない愚痴・悩み・相談Part170




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