1: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:12:49.12 ID:aFMMewx00
ひまだったので、
昔を思い出しながら、少し書き溜めました。
暇な人、つきあってくれたら幸いです。

2: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:13:34.53 ID:GNQBRnB80
聞こう




3: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:14:10.44 ID:aFMMewx00
このお話は、
ある一人のバカな男の半生を、普通の女の子から見ての書いたお話。

最後、結構グダグダになるかもなので、暇な人見てね。

アクセス制限かかったらごめんなさい。

4: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:15:24.53 ID:aFMMewx00
このバカなヤツとの出会いは幼稚園にまでさかのぼる。

幼稚園時代の事はとくに覚えていない。
ただ、私のアルバムを見ると、幼稚園時代の写真にヤツが写っていた。
運動会かなにかの時に列にならんで座ってる私の後ろでだるそーな顔してすわってるヤツが写っている。

5: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:16:11.75 ID:aFMMewx00
小学校時代は低学年は覚えていないが、5、6年の時に同じクラスになる。
ここから強烈にヤツの記憶がある。

6: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:16:59.99 ID:aFMMewx00
ここでスペック


名前:ゆみ
普通の女の子
普通すぎてなんも書くことがない・・・
なんもかんも、全部フツー
泣き虫

名前:健介
顔が北斗晶の旦那に似ているので健介にしておく
基本的にバカ
お調子者
運動は得意
柔道を小学生からやっていた
小学校時代はすぐにケンカするけど、ケンカ弱いわけではないのにすぐ泣く

8: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:19:49.37 ID:aFMMewx00
この話の主役は健介になります。
私から見た、健介というバカな男の事を語ろうと思う。



健介と小学校5年の時、同じクラスになり、となりの席になった。
ああ、こんなヤツいたなぁぐらいに最初は思ってた。

9: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:20:54.10 ID:aFMMewx00
隣の席の健介は変なヤツだった。
宿題は一切してこなく、いつも先生から怒られていた。
でも、なぜかテストは100点が多かった。
なんで宿題してないのにいつもテスト100点なのかって聞くと『授業きいてたら大体わかるやん』と言っていた。
こいつ、本当はすごいのか?と思ってた。

10: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:22:43.07 ID:aFMMewx00
授業中に先生のいう事にちゃちゃいれてゲンコツされたり、教科書忘れたり、勉強は嫌いだったみたい。
なにかあると、当時の担任の若い男の先生にすぐに殴られて泣いていた。
みんなの代表でなぜか健介だけ殴られたこともある。かわいそうなヤツだwww
たぶん、そういう殴られやすいやつだったんだと思う。
私は健介の事をすぐに殴るこの担任が嫌いになった。
体育の時間はものすごくいつも張り切っていた。

13: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:25:24.34 ID:aFMMewx00
どこにでもいる、普通のワルガキだった。


通知表みせてもらったが、いつも落ち着きがない、生活態度が悪い宿題をしないなどと書かれていた。でも、成績はよかった。
なんか、不思議なヤツだなって思ってた。


多分クラスの男子で3,4番目に人気があるポジションじゃないかな?
お調子者で楽しいってヤツ。

18: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:27:18.62 ID:aFMMewx00
健介は冬でも半そで、半ズボンだった。
貧乏だったのかもしれない。いや、多分そうだろう。

クラスに一人ぐらい、こんな人いたよね?www

19: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:27:55.94 ID:aFMMewx00
健介は実はかなり優しいヤツだった。
捨て猫ひろって、家に持って帰るけど、借家だから飼えないらしく、クラス中に猫かえるかって聞いて回ってた。
でも、誰もかえないとわかると、こっそり公園で飼ったりしてた。
給食のパンを持って帰ってあげたり。
その猫がいなくなって、ひどく落ち込んで泣いてた。
私は『多分誰かが家に連れてかえったんよ、かわいい猫やったし。』
とかいって慰めることしかできなかった。

ま、でも誰でも捨て猫拾うぐらいの経験はあるかw

20: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:28:29.99 ID:aFMMewx00
あまり思い出せないけど、でも、当時からやさしい印象はあった。
のちに深くかかわるので、補正されて当時から優しかったと思うのかもしれない。


話すと楽しくて、お調子者でやさしい。
隣の席で健介と話していくうちに、私は好きになってしまった。
初恋というヤツだ。

21: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:29:37.72 ID:aFMMewx00
でも、健介は同じクラスの女の子を好きになった。
元気がよくて明るい女の子。仮に圭子としておく。
たぶんクラスで1,2番を争うぐらい圭子はモテてたと思う。
健介は誰にいったかわからないけど、健介が圭子の事好きだってみんなにいいふらされて、クラス中が知ってた。
でも、誰かがからかって本人にいうと、すぐ怒ってケンカになっていた。
圭子に迷惑だからって怒ってたみたい。
もう、こんだけ知られてたら怒らなくてもいいだろうに・・・って内心思ってた。

22: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:30:27.83 ID:aFMMewx00
圭子は5年生のバレンタインデーの時、ちがう男の子にチョコを渡してた。
それを知って健介はへこんでた。
クラスの男の子に聞いたら、休み時間のドッチボールの時、かなり荒れてて、手がつけれなかったらしい。
よくみると、健介、半泣きでドッチボールしてたらしいw
改めて、あいつバカだなって思った。すぐ泣くし。
でも、そんな私は圭子がうらやましかった。

23: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:31:45.90 ID:aFMMewx00
やがて、小学校を卒業する。
小学校の卒業式の時、健介と圭子はとなりの席だった。
でも、圭子は卒業と同時に県外に引っ越す事がきまってた。

健介は卒業式は寂しそうだった。
多分、この寂しそうなのは卒業だけが理由ではなかったんだろう。

24: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:33:11.72 ID:aFMMewx00
中学に入ると、同じクラスだった。また隣の席になった。
なので、中学に入ってもよく健介とはしゃべってた。
ふとしたときに聞いてみた、圭子に好きって言ったのかな?と。
『そんなん、いえるわけねーやん。』とうつむきながら言っていた。
実を言うと、卒業前の時点になると、圭子は健介の事好きだったみたい。
私は圭子と仲はある程度よかったので、圭子から健介に告白しようかなと相談された。
複雑な気持ちだった。いいんじゃないかな?ぐらいしかいえなかった。
でも、中学に入って、健介に聞いて特にお互い告白もしてないと知って、ほっとした。
私はいやな女だなってこの時思った。
でも、のちにもっとイヤな女になっていく・・・

25: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:34:15.68 ID:aFMMewx00
中学に入ると、健介は本格的に柔道にのめりこんだ。
相変わらずのお調子者だったけど、授業中なんかは、前ほど騒がなくなっていた。
そして、ケンカもほとんどしなくなっていた。
小学校、中学校と学年全部ほぼ同じメンバーなので、ケンカになりようもなかったのかも。
中学3年の頃には、顔も体もすっかり本物の佐々木健介みたいになっていた。
身長は普通ぐらいだけど、筋肉はすごかった。
顔も精悍になっていた。

26: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:35:28.34 ID:aFMMewx00
不良グループみたいなのが中学で出来上がってたけど、健介はそこには属さなかった。
制服も当時ボンタンなんかはやってて、みんなはいてたけど、健介はノーマルだった。
でも、なんか雰囲気でほかの人と違うものが出てた。
私は内心、こいつかっこよくなったな・・と思ってたけど、
まあ普通にみればどっちかというとブサイクの部類だと思う。

27: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:36:48.51 ID:aFMMewx00
健介は、話すと楽しいし、優しいヤツなので、たまに女の子にもてた。
中学の間、私の知ってる限り、2人から告白されてたみたいだけど、どっちとも健介はフっていた。
一人は学年で一番かわいいかもって言われるぐらいの人、
もう一人は美人で、たしか学年で5番目にはいるぐらいに頭がいい人。
ふるほうがバカだと思われる人達だった。

28: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:37:41.50 ID:aFMMewx00
ふられた子は泣いてた。
私は頭がいい人のほうと仲がよかったので、なぜふったのか?って健介に激しくといつめてた。
健介は、『うーん、なんか俺、そんなのよくわかんねぇよ』と言ってた。
もしやと思って、『まさか、まだ引っ越していった圭子の事すきなん?』
と聞いたら、
『そ、そ、そんなわけあるか。む、む、向こうはどこにいるかも俺しらんのに。。。』
といいながらかなりうろたえてた。わかりやすかった。バカだから。
頭がいい女の子に告白されたのが中学3年の初め。

29: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:38:43.61 ID:aFMMewx00
こいつ、相変わらずバカだなって思った。
いない女の子をずっと好きだなんて。
でも、なんだか、ちょっとカッコイイと思ってしまった。
ブサイクのくせにかわいい子にモテやがる健介、不思議なヤツだ。
人間は自分にないものを求めるっていうから、かわいい子は健介みたいなのがいいんかな?って思った。
でも、私もずっと健介好きだったので、この調子じゃ、今告白しても無理だな・・・
って思ってた。私はあいかわらずずるい女だ。

31: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:41:06.22 ID:aFMMewx00
健介は昔から正義感が強かった。
自分の悪口なんかいわれてもヘラヘラしているのに、
友達が泣かされた、いじめられたってなると、激しく怒ってやり返しにいってた。

32: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:41:59.40 ID:aFMMewx00
中学2年の時、クラスであきらかにいじめられてる女の子がいた。
暴力まではいってないけど、なんかみんなから避けられてる感じで。

ある日、掃除の時間、その子の机だけ誰も運ぼうとしなかった。
最後のほう、みんなでジャンケンして負けた人が運ぶ事になった。
はっきりいって、バイキン扱いされてたと思う。
私はあまり乗り気ではなかったけど、ここで普通に机を運ぶといじめられるので、ジャンケンに参加していた。クズだ。

33: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:42:46.19 ID:aFMMewx00
そんなグループを横目に健介は『お前ら、机ぐらいはこべや』と
普段掃除なんて一切しないくせに、その子の机を運んでた。
そして、なぜかその日はマジメに掃除をしていた。あの健介が。

次の日から健介に対してロコツないじめが始まった。
机が一人だけ廊下に出されたり、朝きたら机に花がおかれて亡くなりましたって落書きされてたり
いじめられてた子と健介はつきあってます。みたいな事いいふらされたり、黒板にでかでかと書かれたり。

34: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:43:39.91 ID:aFMMewx00
私は心配になって、健介に大丈夫?って聞いてみた。
すると、『いいかげんむかついてきた。あいつらって事はわかってるけど、証拠がないんよな・・
お前も俺と話してたらいじめられるぞ。ガハハ』

って笑って言ってた。
でも目は笑ってなかった。確実に怒ってた。
イジメられても、多分健介のダメージは0に近かった。

なんか、やばい事になりそうな予感がしてた・・・

35: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:44:34.04 ID:aFMMewx00
ある日、私はその日の昼休み、よそのクラスの友達の所にいってた。
昼休み終了ギリギリに教室に戻ると、完全に雰囲気がちがってた。
よく見ると、クラス中の男子がほとんど顔をはらしてた。
血が出てる人もいた。
なにがったのか聞けないまま、そのまま授業にはいった。
いったい何があったんだろう???

36: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:45:17.36 ID:aFMMewx00
健介本人を含めて、いろんな人に聞いてみて、やっと事情がわかった。


健介は、朝早く来て、誰が健介の机にいたずらしてるのか、ずっと隠れてみてたそうだ。
学校のカギをあける用務員のおじさんよりも早くきすぎて、カギあくまでずっと待ってたらしい。
学校に6:00ぐらいについたとか。
いくらなんでも、早すぎやろw
そして、健介の机にイタズラやってる二人をその場でボコボコにしたらしい。

37: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:46:38.54 ID:aFMMewx00
健介が昼休みにいじめグループ首謀者に呼び出されて、
行ってみると男女30人ぐらいいたらしい。
みんな、バットもったりとかしてたらしい。
健介に土下座しろとか言ってるけど、健介がいう事きくはずもなく。
その後乱闘になり、みんなでよってたかって健介をボコる予定だったそうだけど、
健介の反撃がすさまじく、4人ほどダウンしたらしい。
しかし、さすがにこの人数に武器も持ってるので、健介もやられかけていたとき、
そこに通りがかった学年で一番イケてるグループ(イケメンぞろいの各クラブのキャプテンクラスのグループ)
が健介に加勢してくれて、イジメグループを一網打尽にしたらしい。
実は同じクラスのイケメングループの一人が、健介の事をそろそろやばい事になるんじゃないか?
ってイケメングループ内で話題にだしてて、もしあいつがやられてたら、俺らは助けるぞ。
って事を決めてたらしい。さすがイケメングループ。やることもイケメン。

38: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:47:29.10 ID:aFMMewx00
健介は血まみれになりながらも、助けなんていらんで俺一人で十分やったのに・・・
って強がってたけど、ほんとにありがとう。ってイケメングループに深くあたまを下げてたらしい。



こんな事があり、昼休みあけると、クラス中の男子、ほとんど傷だらけw
健介が一番ひどい顔だったけどw

健介をみると、あきらかに不機嫌なので、本人にきく事もできず
イケメングループの一人に聞いたり、クラスのいろんな人に話しきいたりで、理解した。
何日か後に健介に直接話し聞いて、朝早く待ち伏せしたのなんかを聞いた。

39: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:48:15.69 ID:aFMMewx00
その日の次の休み時間に、いじめられてた女の子が健介に泣きながらごめんなさい。って謝ってた。
でも、なぜか健介はブチギレしてた。
『お前も悪いことしてないなら謝るな!おどおどするからいじめられるやろ!
俺がケンカしたのはお前とは何も関係ない!もっと堂々としてろ!!
悪いことしてないならおどおどすんな!!
もしまたいじめられたら、俺にいってこい。今度は一人づつ帰りがけに待ち伏せしてやる!!!』

40: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:48:53.43 ID:aFMMewx00
となりのクラスまで聞こえるぐらいの声で怒鳴ってた。
いじめられてた女の子はそう言われて泣いてた。
あとで話を聞くと、いじめられてた子は
うれしいの半分、怒鳴られて怖いの半分で泣いてたそうだ・・・
健介、もっと言い方あるだろうよ・・・・泣かすんじゃねーよ・・・

41: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:50:08.17 ID:aFMMewx00
その後当然先生方からよびだしくらって、健介は先生にこっぴどく怒られてたそうだ。
他の人がいろいろしゃべって、事の始まりなんかもわかってるのに、
健介だけは『あの女の子は関係ない。俺が一人でケンカした。
イケメングループは助けてくれた。だからあいつらは悪くない。
悪いのは俺と、俺を呼び出したあいつらだ。』
とずっと言ってて、先生に説教くらいまくってた。
先生にその話しを聞いた。あいつだけは最後までなぜか一人で違うこと言ってたと。
健介なりの正義感だったのかなぁ・・・と思った。
いじめられてた女の子を巻き込みたくないとかかなぁ。

42: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:50:59.36 ID:aFMMewx00
その後、乱闘のあとは、イジメの首謀者も含めて、健介は仲良くなろうと必死で声をかけてた。
『またイジメたら、今度は俺とタイマンやけんな。大人数つれてくんなよwww』とか無理やり肩組みながら冗談で言ってた。
でも、冗談にはなってなかった。
相手の顔はかなり引きつってたから・・・
でも、なんだかんだで結局前みたいなイジメはなくなっていった。

43: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:52:08.25 ID:K9REy5xl0
健介かっちょいい

46: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:54:31.81 ID:aFMMewx00
>>43
ありがとうー

その一言がききたかったためだけに、このスレ立てたかもwww

44: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:52:22.33 ID:aFMMewx00
私には健介がみんなと仲良くする意味がわからなかった。
自分の事をいじめてきた相手まで仲良くしようとしたのが、わからない。

なので、健介に聞いてみた。
『うーん、みんな仲良くしたほうが楽しいやんか。
自分がいじめられるのが怖くてしかたなくいじめてる奴もおったと思うし。』
とだけ言ってた。

45: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:53:17.67 ID:aFMMewx00
なんとなくわかったけど、でもイジメグループの首謀者とまで仲良くしようとしてたのは
わからなくて、しつこく聞いた。
最初は答えなかったけど、あまりにしつこく聞いたら答えてくれた。
『今度は多分、仕返しみたいにされて、あいつがみんなからいじめられるやろ。
だけん、もう俺がなぐったので終わりでいいやん。
そっちのほうが楽しくなる。みんなトモダチでいいやんけ。』

47: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:56:04.39 ID:aFMMewx00
私は健介の人間的な大きさにはじめて気がついた。
ちょっと衝撃だった。
お調子者でなーんも考えてないような行動してるけど、
でも、実はバカな頭で一生懸命いろいろ考えてるんだなと。

48: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:56:48.97 ID:aFMMewx00
なんだか、私は誇らしくなった。
ほかの女の子は健介のこんな一面はわかってないよね?
私だけ知ってるんじゃないかな?
そう思ってニヤニヤした。

49: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:57:46.16 ID:aFMMewx00
よくも悪くも、こいつはバカだけど、まっすぐなんだ。
ケンカも女の子に対しても、まっすぐだ。すごいな。
って私は思ってしまった。


私は自分でもずるい女だって思うところがあり、
健介のまっすぐさを見ると、ほんとにかっこよく思えた。
顔はどっちかというとブサイクだけど、なんだかその顔もかっこよく見えてきた。
ここで、やっぱり健介が好きなんだ、と改めて思い返した。

50: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:58:41.04 ID:aFMMewx00
実はイケメングループの一人とつきあってた私は、改めて健介への気持ちに気がついて
どうしようもなくなって、当時付き合ってた彼氏を振ってしまった。
つきあったのは、告白されてなんとなくだった。
特にめちゃくちゃ好きでもなかった。
健介も無理そうだし、イケメンだし、サッカーうまくてかっこいいし、別にこの人でいいかなって
ぐらいの気持ちだった。

51: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 12:59:14.55 ID:aFMMewx00
自分の気持ちをごまかしながら付き合ってたけど、
でも、やっぱり健介の事が気になるし、好きだった。
今考えると、相手には本当に悪いことをした。

52: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:00:29.49 ID:aFMMewx00
中学時代、ほかにいろいろあった。
健介はたしか柔道で骨折とかしてた事もあったけど、
最終的に中学は団体戦で優勝してた。
でも、個人戦は1回戦で負けたそうだ。
『団体戦優勝したら、なんか気が抜けてな・・アハハ』
とか言ってたけど、健介が個人戦で負けた相手は勝ち進み、
のちに県大会3位になった人だった。
健介はその人と1回戦であたり、判定でまけたそうだ。
健介、実はかなり強かったんだろうな・・・
でも、団体戦優勝してうれしそうだった。健介らしいなと思った。
結局団体戦は勝ち抜いてたしか県大会までいってた。

53: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:01:55.13 ID:aFMMewx00
そうこうしているうちに、中学ももうすぐ卒業になった。

中学の卒業式の時、私は勇気を出して健介にボタンもらって告白しようと思ってた。

3年の時、健介は1組、私は3組
卒業式の最後は歩いて校門をでて終了だった。
私はほんとにドキドキしながら歩いた。
門を出たら、健介にボタンもらおう。告白しよう。そう思ってた。

54: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:03:12.33 ID:aFMMewx00
私たち3組が校門のところまで近づくと、1組はすでに校門をでて、校門の前でみんなたまって
写真撮ったり話したりしてた。泣いてる子もいた。
そんなのを遠目にみながら、
もうすぐ私も校門をくぐる。
あのどこかに健介がいる。
途中適当にほかの人とつきあったりもしたけど、健介の事はやっぱりずっと好きだった。
気持ち伝えたい。
健介はなんて言うかな。
私もあっさり振られてしまうのかな?

でも、思いは伝えたい。今日は絶対に言おう。

56: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:04:04.66 ID:aFMMewx00
そんな事を考えながら校門まで歩いた。
はやく校門を出たくて、早歩きになってたと思う。
ドキドキがとまらなかった。


ついに校門を出た。
でたとたん、ほかのクラスの仲がよかった女の子に話しかけられたけど、
ちょっと待ってっていって、ほっといて健介を探した。

57: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:04:57.93 ID:aFMMewx00
探した。ずっと探した。やがて卒業生全員校門から出てきた。
人も増えて探しにくいけど、でも走って探した。
どこ探してもいない。トイレかな?と校舎のほうに戻りトイレまで走った。
男子トイレなので、はいるわけにもいかず、通りがかりの生徒に
誰かトイレにいない?って聞いたりした。かなりの不審者だ。

58: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:05:40.93 ID:aFMMewx00
トイレにもいなかったので、校門をまたでて、みんなの集まりに入っていった。
そこで元彼が話しかけてきた。
『そんなにあせってどうした?大丈夫か?』と。
焦ってた私は元彼にきいてしまった。
『健介しらない?探してるんやけど・・・』とハアハア息をきらしながら言うと、



ああ、あいつなら帰ったよ。と。

59: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:06:32.69 ID:aFMMewx00
え??

もう帰った????



なんでも、校門でたら、そのままとまらずに帰ったそうだ。
もうびっくり。

名残惜しいとか、友達と話したいとかあいつはないのか!
って呆然と立ち尽くしてしまった・・・・

60: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:07:10.26 ID:aFMMewx00
ちなみに、イケメングループに所属していた元彼は、
同級生、後輩からボタンを要求され、
制服のボタン全部なくなってたw
このイケメンめ・・・・

61: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:08:32.26 ID:aFMMewx00
以上、中学偏おわりです。
次に高校偏になります。健介との縁はまだきれないよ。

63: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:26:08.94 ID:I8TRDEbZ0

続き楽しみにしてる

65: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:44:24.50 ID:aFMMewx00
では、続きを・・・


健介とは違う高校にいった。
中学卒業してから一度もあってないし、電話も話しもしていない。
このころはまだ携帯なんてなかった時代だから、電話するとすれば家電だった。
家も知ってるんで、いこうと思えばいけるけど、いきなり行くのもへんだし。
中学卒業直後は、ボタンもらいにいこうかとなんどか家の前通って偶然あわないかなとかいろいろやったけど、
でもやっぱりピンポンを押す勇気はなかった。
あ、健介は中学2年ぐらいの時、住んでた借家から引っ越して一軒家になって、喜んでた。

66: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:45:02.97 ID:aFMMewx00
高校にはいって、夏休み前ぐらいの頃、手紙が一通きた。
差出人は圭子。あの健介が小学校の時からずっと好きだった女の子だった。

67: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:47:41.76 ID:aFMMewx00
あれからもう一回引っ越しました。
今はとなりの県に住んでいます。
だからずっと昔からいる友達がいないんです。
ふと思いついたのでお手紙しました。お元気ですか?
クラスの何人かにおなじような手紙送ってしまいました。

68: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:48:40.22 ID:aFMMewx00
というよな内容だった。

私はひさしぶりだなーという気持ちと
圭子はなんだか引越しばかりで寂しそうだなという気持ちで返事書いた。

返事を送った後、
圭子は、健介にも手紙おくったのかなぁ?という事に気がつき、

なんともいえない気持ちになった。
前の手紙で聞けばよかったとか思ったけど、聞くわけにもいかないし。
なんだか、モヤモヤしてしまった。

健介にもし圭子から手紙がきてたらそれはそれでうれしいことなんだろけど、
でも、それを素直に喜べない私だった。私はやっぱりずるい。


その後、ひと月ぐらいたってから圭子から返事がきた。

69: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:49:21.86 ID:aFMMewx00
実は同じような手紙おくったのは、クラスの仲がよかった女の子と、
あと男子3人。その中に健介君も入ってました。
そして、返事くれなかった人もいて寂しくなったけど、
返事がきた人から私も返事を出してやり取りした人がいました。
健介君から2通目の手紙が来たとき、ずっと好きだった。
今でも好きです。って書いてありました。
でも、中学の時ってみんな恋愛に目覚める頃なのに、そんな事ってあるかな?
私は小学校卒業してから一度も会ってないし連絡もとってないのに。
実は今彼氏はいるんだけど、なんだか会ってみたい気持ちになりました。
どう思う?


って私に聞いてきた内容だった。

70: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:49:59.65 ID:aFMMewx00
私は焦った。ここで圭子が健介とあってしまったりすると、
もう健介は絶対に圭子が好きになる。っていうか、前からずっと好きだけど。
本当なら健介を応援してあげるべきだろうけど、私は健介が好きだ。
なにより、圭子そっちに彼氏いるんだろ、なぜまた健介の前に現れようとする?
あの二人を会わせたくない・・・



と思い、必死の思いで手紙を書いて圭子に返事を出した。

71: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:50:55.90 ID:aFMMewx00
健介の言ってることは本当です。
あの人、中学の時何人かに告白されたけど断ってました。
まだ圭子がすきなん?って聞いたらそんなわけあるかって言ってたけど
あの顔はうそ言ってて
ずっと圭子が好きで誰とも付き合わなかったんたと思います。

でもね、私はずっと健介の事好きでした。小学校の頃から。
中学の頃もずっと見てたけど、健介は相変わらずバカだけど、まっすぐで、一生懸命で。
だから、圭子はそっちに彼氏いるなら健介と会うのはやめてもらえませんか?
健介の事気にするんじゃなくて、そっちの彼氏の事大事にしたほうがいいですよ。

72: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:51:50.37 ID:aFMMewx00
そんな内容の手紙を送った。

今思い返しても、私はクズだ。ほんとにどうしようもないクズだ。

73: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:52:48.54 ID:aFMMewx00
手紙送った後、後悔した。
でも、もう送ってしまったものはしょうがない。
圭子怒ったかな?健介はずっと圭子好きだったのに、ほんとに悪いことしたな・・
私って本当にずるい。ずるすぎるよ。
こんな女を、健介が相手にするわけがないよ。

そんな事を毎日思った。
部屋で一人で泣いてしまった事もあった。
自分がやったことなのに。ほんとうにバカでずるい私は・・・

74: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:53:46.46 ID:aFMMewx00
その後、圭子から手紙がきた。




ゆみの気持ちはじめて知りました。
軽い気持ちで会ってみようなんて思って、ごめんなさい。
たしかにゆみの言うとおりですね。私はこっちに彼氏いるし。
だから、健介君との手紙のやり取りも終わりにしました。

75: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:54:38.18 ID:aFMMewx00
健介君には

昔懐かしかったから何人かクラスの人に手紙を送った、その中の一人が健介君。
今はこっちで彼氏がいるから、どうしようもないです。でもありがとう。
だから、手紙のやりとりも終わりにしましょう。元気でね。


という内容の手紙を送りました。
実は私って彼氏と最近うまくいってなくて、私の事ずっと思ってくれてた人がいたなんて
うれしくなって会ってみたいなって思いました。私ずるくて、ダメな女だね。
彼氏とちゃんと向き合ってみます。

76: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:55:33.10 ID:aFMMewx00
ゆみ、ひとつ約束してほしいです。
かならず健介君に好きですって伝えてください。お願いです。
伝えないとなにもはじまらないよ。ずっと苦しいことになるよ。
ずっと好きだったんでしょ?健介君よろこぶと思うよ。
だから、絶対気持ち伝えてね。
気持ち伝えないと、私が健介君とっちゃうからね。

77: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:56:28.55 ID:aFMMewx00
この手紙をもらってまた泣いてしまった。
健介がずっと好きだった圭子は、私にまで優しい気持ちを向けてくれるんだな。
こういう人が健介にお似合いだよ。私は何やってるんだろう・・・
って、うれしいやら、情けないやらで泣いてしまった。

79: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 13:57:08.38 ID:aFMMewx00
その後、圭子に健介の事たくさん書いて手紙送ってしまった。
健介の中学時代の事、ふった女の子はむちゃくちゃかわいい子達なこと、
柔道がんばってすっかりゴリラになってしまったこと
いじめられてる子を助けて大乱闘したこと
卒業式ボタンもらって告白しようとしたけど、すでに帰ってしまってたこと
小学校の時頭よかったけど、中学入って勉強まったくしなくて
普通になったけど、それでも普通より頭よかったこと
その他いろいろ
なぜかわからないけど、誰にも話せなかった健介の事たくさん書いてしまった。
そして、

約束は守るね。健介に告白する。だから、圭子とらないでね。

80: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:00:12.33 ID:aFMMewx00
最後は冗談っぽく書きました。
今思い返すと、圭子あんな手紙もらって困っただろうな・・・・

圭子から返事が手短にきて

ほんとに健介君が大好きなんだね。
応援してるからがんばってねー。
結果は報告してね。

っていう内容でした。

81: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:01:26.35 ID:aFMMewx00
さて、こうやって、健介に告白する事になった私。

相変わらずチャリで健介の家の前をうろうろしたりしても、
健介に偶然会うことはなかった。
今考えると、ほんとうにストーカーだった。
健介に偶然あえる事を願いながら、でも家に訪ねていったり電話する勇気はない。
ほんとに意味がわからない状態だった。

82: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:02:34.42 ID:aFMMewx00
思えば、幼稚園から中学までずっとクラスは違うことはあっても学校は同じだったので、半年も健介とあわないって事はなかったな。
せいぜい夏休み期間ぐらいかな。なんだか寂しいな。
高校生になってどうなってるんだろう?久々にあいたいなー。
って本気で思うようになってしまった。

83: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:03:26.78 ID:aFMMewx00
健介に告白すると決めたものの、健介には会えない。
でも、直接連絡する勇気もない。
どこかで偶然あえないかと願うばかりな私は、ずるい。
ムシがよすぎるのはわかってるけど、その頃の私にはどうする事もできなかった。

84: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:04:11.93 ID:aFMMewx00
もう寒くなった12月のクリスマス近い頃、近所の本屋兼レンタルショップに行った。
そこで、中学の時の同級生とあった。



残念ながら、健介ではなかった。

85: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:05:44.26 ID:aFMMewx00
カズ君だ。
健介と家が歩いて一分ぐらいで、しょっちゅうつるんでたカズ君。
カズ君は同じクラスになった事はあるけど、あまり話したことがない。
でも、このチャンスを逃すと、健介とあえる可能性はかなり低くなる。
思い切ってカズ君に声を掛けた。


ゆみ『おひさしぶり。元気してた?』
カズ『おー、ひさしぶりやねー』

86: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:06:45.12 ID:aFMMewx00
その後、普通なら他愛もない話しをするだろうけど、私は焦っていきなり聞いた。
ゆみ『あ、あの、あのね、健介とは今でも一緒に遊んでる?』
カズ『うん、ショッチュウ。週末は大体どっちかのウチにおるよ。健介がどうした?』
ゆみ『ちょっと話したいことがあって』
カズ『なになに???・・・まあいいや。帰ったらそのまま健介んとこ行って伝えとくよ。電話させたらいい?』
ゆみ『うん、できたらお願い』
カズ『ういーす。あいつ、意外ともてるな。(ニヤニヤ』
ゆみ『そんなんじゃないってーー(ほんとは思いっきりそんなんやけど・・・)』
カズ『わかったよー。んじゃ帰ったら言っとくよー』

そういってカズ君はチャリで帰っていった。

87: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:07:40.21 ID:aFMMewx00
この時代はまだ個人情報なんとかもうるさくなく、
卒業アルバムみれば普通に電話番号と住所は載っていた。
だから、健介もうちの番号はすぐにわかるはず。


私のうちまでチャリで10分
カズ君(健介)のうちまで、チャリで20分
カズ君が健介に直接言いにいくとなると、その直後に電話くるかもしれない。

私は必死にチャリをこいだ。
冬なんで寒かった。でもこいだ。汗が出てきた。
多分、あの時が生涯一番早くチャリをこいだと思う。

必要以上にドキドキした。これはチャリを必死でこいだせいではないかも。

88: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:08:30.95 ID:aFMMewx00
家にかえりついた。
お母さんが私の息遣いと焦りようをみて、ビビってた。
『と、友達・・・から・・・でん・・わ・・・くる・・・から・・・・ハァハァ』

といって、子機を握り締めて自分の部屋にいった。
お母さんが飲み物もってきてくれた。やさしい。
でも、部屋にいられると電話どころじゃないので、すぐに追い出した。

ずっと子機を握り締めて待った。
チャリに乗ってるときから、動悸がとまらない。
ずっと心臓がドキドキしている。

89: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:09:21.05 ID:aFMMewx00
もうすぐカズ君が家につくころ。
健介にすぐ伝えてくれるんかな?
そのまま二人で遊ぶのかな?
すぐに電話あるかな?

すぐに電話があるという確証はなかったけど、ずっと受話器もって部屋でまった。

90: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:10:07.71 ID:aFMMewx00
帰り着いて30分たった時、着信音が鳴った。
この時が今考えても人生で一番ドキドキした瞬間かもしれない。

一回深呼吸して、2コールなった時に通話ボタンを押した。






電話の相手は親戚のおばちゃんだった・・・・orz

91: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:10:58.23 ID:aFMMewx00
すぐにお母さんと電話かわった。
その後、長電話になった・・・・・・
15分たってもお母さんは電話おわらない。



私は無言でお母さんの前に腕を組んで仁王立ちした。
お母さんがこっちに気がついたので、電話使いたいって事をジェスチャーで伝えた。
おかあさんはゴメンってジェスチャーをして、すぐに電話きってくれた。
お母さん、私にはいつも優しい。



そして、子機を握り締めて部屋に戻った。

92: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:11:37.98 ID:aFMMewx00
部屋に戻ってドアを閉めた途端に着信音がなった。
びっくりして電話を落としてしまった。


そして、子機の電池が抜けてしまった。
いれようとしても、手が震えてなかなか入らない。
焦ると余計に入らない・・・


そうこうしてるうちに、一階でお母さんが電話にでた。
健介でありませんようにって祈った。

93: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:12:26.82 ID:aFMMewx00
『ゆみーー、電話よーーー』と大きな声で1階から呼ばれた。
平静を装って1階にいったけど、お母さんは必要以上にニヤニヤしていた。
『男の人からよ。』って電話を渡された、ものすごく恥ずかしかった。

すぐに保留ボタンを押して、自分が持ってる子機に電池を入れ、
子機に転送して、自分の部屋に入った。

ドキドキしながら通話ボタンを押した。

94: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:13:29.16 ID:aFMMewx00
ゆみ『も、もしもし・・』
健介『おー、久しぶりやなー。元気か?』

ひっさしぶりに聞くいつもテンション高めの健介の声。
なんか少しだけ涙が出そうになった。

健介『ん?どした?カズから聞いて電話したけど。』

そこで、自分から電話してといいながら、
涙こらえてるうちに も・もしもし・・ しか話してない事に気がついた。

声を聞いたら、会いたくなってきた。
最初は電話で告白しようかと思ってたけど、会うことにした。

ゆみ『あのね、ちょっと話したい事あるから、今からあってくれん?』
健介『なんやどうしたー?ま、暇やけんどこでもいくよ。ゆみんちの近所、公民館の横に公園あるやろ。あそこまでいくぜー。んじゃー』

そういって、一方的に電話きられた。

95: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:14:12.80 ID:aFMMewx00
告白できなくて、今日は電話で少し話すだけにしようかなとか最初は思ってたけど、
こうなるともう、あとに引けなくなってきた。
絶対に今日告白してやるって、逆に気合いが入ってきた。

健介のうちから公園までチャリで10分。
それまでに用意して公園までいかなければ。

96: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:15:03.49 ID:aFMMewx00
服はどうしよう?
一番お気に入りの服は洗濯したままだった。
しょうがないので選んだ。時間がかかった。
髪型はへんじゃないかな?
高校生なので少しぐらいお化粧したほうがいいのかな?
お化粧なんてまだしたことないから、結局しなかった。

97: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:15:54.67 ID:aFMMewx00
いろんな事考えて用意してると、電話をきってから20分経過していた。
やばい、健介もう公園ついたかな・・・待ってるかな・・・
そう思いながら階段を下りて1階にいき、玄関にでた。
『今から電話の男の子にあうの?がんばってきなさいよ。』
おかあさん冷やかしかと思ったら、真顔で言われた。
西川きよしみたいに、両手でこぶしつくってた。
私の焦りようでなにか気がついたんだろうか?
『ちょっと出てくるね、すぐ戻るよ』と笑顔でお母さんに言って家を出た。
なんだか、お母さんに勇気もらったみたいでうれしくなってきた。

98: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:16:32.34 ID:aFMMewx00
公園まですぐ近くなんで歩いていった。
そこを曲がれば公園って所まできた。
いったんとまって、深呼吸を3回した。1回じゃ足りなかった。


久々に健介に会う。
中学卒業してからだから、9ヶ月ぶりぐらいかな?
曲がり角を曲がった。

99: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:17:14.76 ID:aFMMewx00
公園の入り口にチャリがあった。おそらく健介のだろう。
でも、健介がみあたらない。
公園の中も見渡してみた・・・・




よく見渡してみると、遊具のウンテイで懸垂をしているゴリラがいた。




健介だwww

100: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:18:02.58 ID:aFMMewx00
中学の時、授業中に空気イスしたり、握って握力鍛えるやつを授業中やってて先生に没収されたりしていた。
相変わらず脳みそまで筋肉やなぁと思ったら緊張がほぐれてしまった。



懸垂している背後からダッシュして肩でぶつかった。
バランスをくずしながら健介は着地した。

101: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:18:51.95 ID:aFMMewx00
健介『ひさしぶりなのに、いきなりあぶねーやんか。』といいながら顔は笑ってた。


久しぶりの健介の笑顔。決してイケメンとはいえない、どっちかというとブサイクな笑顔。
なんだかうれしくなった。
こういうのをブサカワイイとかいうんだろうか?当時はそんな言葉なかったけど。
パグ犬を飼ってる人は私が健介を見てる感情と同じようなものかな?とか
わけがわからない妄想をしてしまった。

102: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:19:40.62 ID:aFMMewx00
ゆみ『久しぶりやねー。卒業してから会ってなかったし。元気やった?』
健介『おう、俺はいつでも元気じゃ。ゆみこそ元気やったか?』
ゆみ『健介ほどじゃないけど、まあねー』

自然と顔がにやけてしまう。

103: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:20:36.71 ID:aFMMewx00
よく見ると、健介は髪が伸びていた。
少し短めのリーゼント風になっていた。
小さい頃からずっと坊主で中学も柔道してたから坊主で高校生になって髪伸ばしてみるまで、
自分が天パなのをしらなかったらしい。ゆるやかな天パだそうだ。
リーゼントも別にパーマかけてるわけでなく、
髪の毛あげたらこうなったと言ってた。
でも、なんだか似合ってた。
会ってない期間、1年もたってないけど、健介だけ少し大人になった気がした。


健介『で、用事ってなん?』

104: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:21:49.55 ID:aFMMewx00
今まで心地よい時間だったけど、健介に現実に引き戻された。
そうだ、今日の用事を思い出した。健介に告白するんだった・・・

もう、ここまできたら勢いで言うしかない。

一度うしろを向いてまた深呼吸した。


そして健介のほうに振り返って目をつぶったまま言った。

105: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:22:45.56 ID:aFMMewx00
ゆみ『私ね、健介の事がすきなんよ。だけん、よかったらつきあってほしい。』

健介『いいよー』



ゆみ『あのね小学校のこr・・・・え?今なんていった???』

ここで、私は目を開けた。健介は笑ってた。

106: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:23:39.81 ID:aFMMewx00
健介『いいよ。俺たち付き合おう。』

ゆみ『え?だって、普通考えさせてとかいうやん?』

健介『いやいや、いいよ。ゆみといると楽しいし。俺女の人と付き合うとか初めてでよくわからんけん、宜しくな!』


なんだか、そういわれてボーっとしてしまった。

107: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:24:12.40 ID:K9REy5xl0
。・(ノД`)・。

108: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:25:27.87 ID:aFMMewx00
こんなにあっさりでいいのか?
不思議な感じだった。
そのあとは、健介が一方的にいろいろしゃべってるけど、あまり聞こえてこなかった。
また電話する約束して、その場は解散した。
健介がチャリにのって帰るの見送ってから、ゆっくり歩いて家まで帰った。
なんだか、まだ現実的じゃなかった。

私は健介の彼女になったのか?あんなにあっさりと?
考え込みながらうちに帰りついた。

109: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:26:29.17 ID:aFMMewx00
うちに帰ると、お母さん、姉ちゃん、弟が玄関まできてて
どうやった?どうやった?って聞いてきた。
うちは結構オープンな家庭で、二つ上の姉ちゃんも、ひとつ下の弟も
普通に彼氏、彼女をうちにつれてきたりした。
まだ私だけ異性は連れてきたことがない。

みんなテンションあがって、どうやった?って聞いてたけど、私は
まだ現実にもどれなくて、ぼーーっとしながら、うーんと答えてた。

それを見て、みんな私が振られたんだと思い、あちゃーって顔をしながら散っていった。
お父さんだけは遠くでにこにこしてた。

110: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:27:12.92 ID:I8TRDEbZ0
親父wwwwwwww

111: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:27:38.80 ID:aFMMewx00
ご飯を食べた後、部屋に戻ると、お母さんが部屋まできて、
『大丈夫よ、ゆみはいい子だから、いい人きっとみつかるから。』って頭なでなでしてくれた。
ジュース持ってきてくれて、部屋で二人で飲んでた。


『あのねお母さん、私彼氏できた』というと、お母さんはリアルにオレンジジュースを噴出した。
ほんとに、ブッーーーって噴出したwww
それを見て私は爆笑した。
『なんでそんな態度なん、もうーーーー』
って言いながら噴出したのを掃除したあと、満面の笑みで部屋から出て行った。

112: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:29:04.83 ID:aFMMewx00
その後、姉ちゃんが部屋にきて、いきなりケリを入れてきた。
『妹もいっちょまえに大人になったな。写真みせろ、写真』と満面の笑みで言ってた。
卒業アルバムを見せたら爆笑して『お前は私と違ってめんくいじゃないんやねー』といってどこかに行った。
次に弟がきて、『今度うちにつれてこいよ、一緒にゲームしようぜー』と言ってた。

ジュースのコップを下に持っていくと、お父さんがしかめっ面になってた。
お母さんにも卒業アルバムみせたら、『あら、味があってかわいい顔ね』と言ってた。
でも、お父さん以外みんな笑顔だった。なんだか祝福されたみたいでうれしかった。

113: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:31:34.03 ID:aFMMewx00
健介と付き合いだしてすぐにクリスマスだった。
予定どうするって健介に聞いても、何が?としか言わない。
いろいろ探ってみると、健介はどうもクリスマスは恋人同時の一大イベントだって事がわかってなかったw
なので、一生懸命説明したが、あまり理解してもらえなかった。
たしか普通に近所で過ごしたと思う。
健介らしいなと思って、これはこれで楽しかった。

114: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:31:39.51 ID:I8TRDEbZ0
親父の気持ちが分かりすぎて辛い

115: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:32:45.01 ID:aFMMewx00
>>114
そんなアナタもいいお父さんなんでしょうね(^0^)

116: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:33:28.47 ID:aFMMewx00
正月にうちに呼びなさいって事をお母さんから言われて、
つきあって1ヶ月足らずでうちに呼ぶことになった。
健介さすがに早すぎでいやかなって思ったら二つ返事でOKだった。


たしか正月の3日に家にきたと思う。
私はむちゃくちゃ緊張したけど、健介は普通だった。
やっぱりバカだ。普通緊張ぐらいするやろ・・・

117: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:34:35.51 ID:aFMMewx00
私たちは外で待ち合わせして、健介と二人で家にかえった。
玄関先でお母さんが出迎えてくれた。
『はじめまして、健介と申します。今日は呼んでいただいてありがとうございます。』
大きな声で挨拶をしていた。さすが生まれついての体育会系だ。
お母さんに催促されると、『おじゃまします。』とまた大きな声で挨拶をして家に上がった。

118: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:35:14.28 ID:aFMMewx00
うちにあがると、まず最初に姉ちゃんが健介に食いついてた。
姉『あんた、ヤンキーなん?ケンカつよい?』
健介『ちがいますよ。ケンカは普通です。』
姉『うそやん、強そうやん。ゆみのどこがよかったと?いい筋肉しとうなー』
と、姉ちゃんが健介の腕、肩を触りだした。
私もまだ偶然を装ってしか触ったことないのに・・・・と思ってみてると、
姉『ゆみが怖い顔してるから、このくらいにしとくよ。今度、私の彼氏も一緒にあそぼうな。』

と言ってた。
ちなみに、姉ちゃんも姉ちゃんの彼氏もバリバリのヤンキーだ。
姉ちゃんは当時工藤静香意識しまくってて、髪型もまねてた。
美人だったから、かなりもててたみたい。
そのあと、弟がきて、共通の知り合いの事で健介と盛り上がって話してた。

119: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:38:02.37 ID:aFMMewx00
帰ってから見当たらなかったお父さんがリビングにもどってきた。
あきらかに不機嫌そうだ。
健介は弟と話してたけど、お父さんに気がつくと、弟に少し待っててな というと、
立ち上がりお父さんの傍までいって、
『はじめまして、健介と申します。』とまた大きな声で挨拶して、深く頭を下げていた。
何度か見たことあるけど、健介なりの礼儀の示し方みたいだ。
柔道で身についたのかな。
頭を上げない健介をみて、お父さんは健介の肩に手を置いて、
『よくきてくれたな。腕相撲するか?』っと笑ってくれた。
私は心底ほっとした。

120: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:40:44.25 ID:aFMMewx00
そして、腕相撲大会が始まった。

お母さんと弟はお父さん、私と姉ちゃんは健介を応援した。
『俺に勝ったら、娘と付き合うの許してやる』
と、お父さんがいつも見せないようなイタズラっぽい顔で言った。
『ういっす!がんばります!!』と健介は腕をまくった。

121: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:41:53.76 ID:aFMMewx00
結果は・・・・


秒殺で健介の勝利だった。

お父さんが負けるの、あまり見たことなかった。
姉ちゃんの彼氏も弟も親戚の人も誰一人勝てなかったし。
健介はやっぱり強いんだな・・・

姉ちゃんが一人で興奮して、『お前つえーな』って健介をバシバシ叩いてた。
お父さんは負けたけど、なんだかうれしそうだった。
『男の約束じゃ、ゆみとの事は認めてやらぁ』って言ってた。
そして、『おう、お前ものめ』って健介にお酒を注ごうとしてたけど、お母さんに止められて怒られていた。

122: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:43:26.99 ID:aFMMewx00
健介のコミュ力半端ねえなって私はひとしきり関心してた。
なにより、みんなを一瞬で笑顔にさせるこいつはやっぱりすごいって思ってた。
お母さんと姉ちゃんが健介に話し掛けまくり、弟がのけ者にされてるのを遠めにみてたら、
『お前、まあまあ男みる目あるな。』ってお父さんにいわれた。
かなりうれしかった。

123: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:44:29.84 ID:aFMMewx00
その後、バレンタインデーになる。

健介はチョコもらった事がないらしい。
でも、別にチョコすきじゃないからいらないって言ってた。
じゃあ、食べ物何がすきか?って聞いたら、カレーと答えてた。
なので、家に呼んでカレーを食べることにした。
お母さんに話すと喜んで協力してくれるって言ってた。
健介は2月が誕生日なので、こっそりその時に一緒にお祝いすることにして、ケーキも用意した。
お母さんと健介の事話しながら、一緒に作り方を教えてもらいながらカレーを作った。
いつも料理なんてしたことなかったから、楽しかった。
お母さんも楽しそうだった。

124: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:45:15.12 ID:aFMMewx00
健介を家によぶと、ものすごく喜んでくれた。
カレーを3杯たべて、4杯目おかわりしようとしたけど、ご飯がなくて食べれず、へこんでた。
こいつは、どんだけ食うんだ?って思った。
その後ケーキをみんなで食べた。
健介はカレー食べ過ぎたのか、甘いものはあまり好きではないのか、ケーキはなんだか無理して食べてた。
健介の顔みてたら、そういえば、チョコいらないっていってたな、と思い出した。
甘いもの自体あんまり好きじゃなかったのかな・・・私、気がつくの遅すぎる・・・

『なんだか、家族が増えたみたいでうれしい。ありがとうございます。』
と半泣きで健介は言ってた。泣き虫は小学校の時から相変わらずだ。
それ見て、お母さんのほうがなぜか泣いていた。

125: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:45:57.62 ID:aFMMewx00
健介の誕生日のあと、ふと思い出した。


圭子に報告の手紙書かなければ・・約束してたんだった。

私は毎日が楽しくて舞い上がってたので、そのままの勢いで圭子に手紙を書いた。
健介と付き合うことになった事
告白すると、あっさりOKしてくれて信じられなかった事
うちの家族とも仲良くなってくれて、うちに2回遊びに来た事
なんだか毎日楽しい事
全部圭子のおかげです。ありがとう
という内容の手紙を出した。

126: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:46:41.65 ID:aFMMewx00
何日か後、すぐに返事がきた。

健介君との事、ほんとによかったね。
こっちにまで楽しい様子が伝わってくるよ、おめでとう。
私はあのあと、彼氏と別れてしまいました。
こういう事もあるよね、しかたないね。
次の人見つける気にまだなれなくて。
でも、そのうち私もいいことあると思う。
もう返事はいらないよ。健介君と仲良くねー

そういう内容の手紙だった。

127: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:47:17.79 ID:aFMMewx00
やっと私は思い出した。

健介にひどいことした事を。

128: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:48:26.38 ID:aFMMewx00
健介の小学校からの5年間の思いを私のずるい行動で無駄にした事を。

結果圭子も彼氏と別れて今は一人になってしまった。
あの時健介と圭子が会ったら、きっと二人はうまくいったような気がする。
でも、それを無理やり引き裂いたのは、この私。
そして、私だけ毎日楽しく暮らしてる。人の気持ちも何も考えずに。

129: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:49:41.88 ID:aFMMewx00
健介は私の事本当に好きなのかな?なんで私とつきあってくれたのかな?
圭子に振られたあとだから寂しかったのかな?
圭子は私の事どう思ってるんだろう?
圭子も実は健介に会いたかったんじゃないかな?
私さえいなければ、二人はうまくいったのかな?
なにより、自分の好きな健介の気持ちを踏みにじってるのは、私だ。
私は自分の事だけ考えて、周りの人をみんな不幸にしたのかな?

そんな事を圭子に手紙もらった日、考えて夜なかなか寝れなかった。

130: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:49:51.28 ID:YP1rBsKZ0
なかなか読ませるね
健介の男らしさは立派だ
なかなか真似出来るものじゃない

131: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:50:40.46 ID:aFMMewx00
いろいろ考え込むうちに

もう引き返せない。私はこのまま健介と仲良くなるんだ。
健介と一緒の時間はもう失いたくない。
と開き直ってしまった。

もう、悩んでもしょうがない。このままいこう。
健介もいつも楽しそうにしてるから、私の事きらいじゃないはず。
そう自分に言い聞かせて無理やり納得させた。

132: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:51:54.96 ID:aFMMewx00
健介とは平日はあんまり会わなかったけど、週末の土日はほとんどあってた。
土曜日はまだ午前中は学校がある時代だったので、昼から会った。
二人とも、バイトもしてない高校生なので、お金はなく
出かけるのも月に1回遠出するぐらいで、あとは近所散歩したりとかしてた。
一緒にいるだけで、いつも楽しかった。
私のうちから歩いて10分で海につく。
寒いときはあまり行かなかったけど、少しあったかくなってくるといつも海岸で
座り込んで話してた。いろんな話しした。
ずっと海岸で話してるだけで1日終わるときもあった。でも、いつも楽しかった。
話すことない時は、海岸で二人して寝転んでた。話さなくても心地よかった。

134: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:53:20.74 ID:aFMMewx00
健介の優しさはなんだか新鮮だった。

道歩いてて、綺麗な花が咲いてて、私が
『ねえねえ、あの花きれいやね。たまには私にお花とかプレゼントしたくならん?すぐ近くにキレイなお花が咲いてるよw』っていうと、
『あいつも種から必死こいてやっと花が咲くまでになったんやろ。枯れるまで咲かせてやっといてやっとこうぜ。花欲しかったらお店に売ってるやんか。』
とか笑顔で言われて、
道端に咲いてる花にまで優しいのか・・・って、感動した記憶がある。
それで、次会う時には花を買ってきてくれた。こっちにも感動した。

今考えると、健介ものすごくクサイな健介wwww

135: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:54:40.09 ID:tmQn/cs+0
健介w

136: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:56:53.95 ID:aFMMewx00
高校2年の4月の下旬ぐらい・・・


ある日、健介と二人で近所を歩いてると、高校生3人に取り囲まれた。
高校生だって事は制服でわかった。
相手は完全なヤンキーだ。みただけで、悪そうってのがわかる。
でも健介なら3人でも勝てるんじゃないかな?って勝手に思った。
3人はあきらかに健介を挑発してた。

137: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:57:50.15 ID:aFMMewx00
でも健介は何もしないし何も言わない。
険しい顔をして、私をかばうように自分のうしろに手で押しやった。

そのうち3人は財布だしたら許してやるって言い出した。
健介がこんな奴らに財布なんて出すはずがないって思ってたけど、あっさり出した。
少ない中身を小銭まで全部とられた。
『それでいいやろ、通してくれ』といっても3人は通さない。
健介は土下座を要求された。

138: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:58:36.75 ID:aFMMewx00
こんな奴らに土下座する健介なんて見たくない。
健介はいつだって、正しいことしてきた。
弱い人を助けて悪い奴をやっつけようとしてた正義の味方みたいな奴だ。
なんでこんな奴らに・・・って思ってると
健介は土下座した。


土下座した健介を3人は何回も蹴った。
こいつおもしろくねーな、なんかしらけたな・・・
って言いながら3人はどこかに消えた。

139: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 14:59:54.07 ID:aFMMewx00
『なんか変なのに巻き込まれてゴメンな。』ってなぜか健介は私に謝ってきた。

健介の口からは血が出ていて、シャツも血で汚れていた。
自分で血に気がついて、『ちょっとついて来て』といい、すぐ近くの公民館の横の公園で口を洗ってた。
その後、いつもの海岸へいった。
隣同士座ってたけど、私はずっとだまってた。
健介も私が下むいて何も言わないから、話しかけるのやめて、隣で寝転んだ。

140: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:00:55.35 ID:aFMMewx00
なんだか、悔しくて、悔しくて、涙がでてきた。

健介、あんな奴らに絶対負けないはずなのに、戦わないのも悔しいし、
あの場にいて怖くて何もできない、言えない自分にも悔しかった。
健介だけ痛い思いしてるのもイヤだった。
いろんな感情で、涙がでてきてとまらなくなった。

健介は一言『ごめんな』って言ったまま、それから何もいわず、私の横で寝転んでた。

141: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:01:58.70 ID:aFMMewx00
やっと涙が止まった。

私は健介の顔を見れなかった。でも、どうしても言いたくて、
何もできなかった自分に悔しいのも全部健介にぶつけた。
目の前の海を見ながら大きめの声で言った。

『どうして戦わなかった?あんな悪い奴らの言いなりになって、お金とられて土下座までして、結局蹴られて怪我までして。
同じ負けるなら、戦ってほしかった。健介情けないよ・・・』

言ってるうちにまた涙が出てきた。最後のほうは泣きながら言った。

142: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:02:40.29 ID:aFMMewx00
寝転がってた健介は起きて、私の横にすわってくれた。
いつもより距離が近かった。

いきなり私の肩を両手でつかんで、自分のほうに私を向けた。
私の目を見ながらゆっくり話してくれた。

143: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:03:55.74 ID:aFMMewx00
『あの時、やばいって思った。相手3人だし。
ゆみがどうやったら無事にこの場を抜けれるかだけ考えた。
走って逃げようかと思ったけど、女の子の足じゃつかまりそうだし、俺も走りは遅い。
ケンカしようかとも思ったけど、3人いると俺まけるかもしれないと思った。
だから、あいつらのいう事全部きこうと思った。
お金だせばどこかにいくかと思った。
いう事きいて土下座すればどこかに行くかと思った。
でも結局蹴られた。でも、蹴られたのは俺だけだった。
ゆみは怪我してないし、さわされてもない。
だからよかったと思った。

144: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:04:50.63 ID:aFMMewx00
でもそれでゆみは泣くほど傷ついたんだな。
俺はゆみの彼氏だもんな。あんな情けない姿は見たくないよな。
俺、頭わりーから、あんな行動しかとれなかった。ごめんな、泣かせて。
ゆみの気持ち全然考えてなかった。ごめん。』

今はもう記憶がうすれて思い出しながら書いてるので、
はっきり覚えてないけど、たしかそういう事を言ってくれた。

私の肩を両手でつかんだまま、目線をあわせて、ずっと目を見て言ってくれた。
健介、ちょっと力が入ってた。肩が少しだけ痛かった。

145: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:05:56.72 ID:aFMMewx00
私は自分が情けなくなった。

健介は私の無事だけを考えて、あんな奴らにお金とられ、土下座までして、怪我させられても
我慢してた。

あの負けず嫌いの健介が・・・
学年で自分より腕相撲が強い人がいると、何ヶ月かトレーニングして必ず倒してきたし、
授業中もよく空気イスしてたし、
体育の時間のサッカーでもバスケでも、負けると泣きそうになって本気で悔しがってた健介が。


私の為に、私の無事だけ考えて
なにもかも我慢してくれた。

146: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:06:37.42 ID:aFMMewx00
でも、私はそれに気がつかないで健介を責めた。
自分が情けないのに、守ってくれた健介を責めた。
責めた私にまで、ごめんって言ってくれた。


健介にはほんとにかなわないし、私という人間がいやになった。
自然とまた涙が出てきた。

147: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:07:31.48 ID:aFMMewx00
『でも、あいつらがゆみにちょっとでも触れたら、俺はケンカするつもりだったぞ。 俺がむちゃくちゃ暴れてたら、そっちのほうがゆみに嫌われたと思うぞwww』
と笑いながら最後に言った。

その笑顔みて、私も泣きながら笑った。

148: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:08:15.21 ID:aFMMewx00
健介がどうしようもなく好きだって思った。

目の前の健介がまっすぐこっちを見て笑ってくれてた。
私が泣き止んで、笑って、やっと肩から手を離してくれた。

今度は私が健介の両肩を手で捕まえた。
すごく太かった。
でも、しっかり掴んだ。

149: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:08:54.03 ID:aFMMewx00
私は自分から目を閉じて健介にキスをした。




先に目を閉じたから、ぶつかるような感じになった。

結構長い時間したような気がする。多分10秒ぐらいしてたと思う。

150: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:09:52.92 ID:aFMMewx00
なんだか変な味がして、口を離した。



健介を見ると、笑顔で口から血を流していた。
私が勢いよくキスをしたから、血が止まってた口からまた血が出だしたw
『痛かった?ごめんね』っていうと、健介は笑いながら私の唇を手で触ってくれた。

健介の手には血がついていた。
さっきの変な味の正体は、健介の血だった。

151: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:10:22.07 ID:aFMMewx00
私のファーストキスの味は、血の味だった・・・wwww

152: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:12:55.60 ID:aFMMewx00
『俺のファーストキスが流血とは、なんだか俺らしくていいなwwww』って健介大笑いしてた。

そして二人で大笑いした。


健介もファーストキスだったんだと思うと、うれしくなった。


そういえば、健介はずっと圭子好きだったから、ほかの人とかキスするはずないかってあとで思った。

153: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:13:25.12 ID:aFMMewx00
健介が家まで送ってくれて、うちの前で別れた。





寝る前にその日の事いろいろ考えた。

154: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:14:02.93 ID:aFMMewx00
健介は相変わらずまっすぐだ。
あんなマンガの主人公みたいな事、平気でやってしまう。
自分が痛いのに、人の心配ばかりする。
どう考えても私のほうが子供なのに、そんな私にも悪かったごめんってあやまってくれる。
私みたい何もとりえがない、性格がまがった女がこのまま健介と一緒にいていいのかな?
健介の幸せをうばったのは実は私なのに、私にやさしさを向けてくれる。
ほんとの事全部話したら、多分私は健介にきらわれるだろうな。
健介、私の事本気で怒るかな?

155: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:14:34.64 ID:aFMMewx00
ほんとの事話すと全部終わりな気がする。

でも、健介とは一緒にいたい。

でも、あんなまっすぐで一生懸命な健介にはやっぱりうそついたままはダメだ。

156: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:15:05.02 ID:aFMMewx00
健介に本当の事を話そう。


健介から手紙もらった圭子は、あの時あなたに会ってみたかった。
だけどそうさせなかったのは私だと。
今度あったら健介に圭子からの手紙を見せて全部はなそう。

157: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:15:52.97 ID:aFMMewx00
そう思った。

全部話すと全部おわる。

でも、健介には言わなくちゃいけない。あんな人騙したままじゃいけない。

結果私と別れても、私の事怒っても、それはしかたない。
全部自分がしてきた事だから。



布団の中で泣きながらそう決意した。


その日の夜、本当の事を全部健介に話そうときめた。

158: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:16:56.55 ID:aFMMewx00
結構グダグダでごめんなさい。
質問あればどうぞー

159: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:18:07.93 ID:I8TRDEbZ0
ハッピーエンドでお願いします

161: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:21:58.00 ID:aFMMewx00
>>159
それは質問ではないような・・・w

160: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:21:52.80 ID:YP1rBsKZ0
なかなかいいよー
健介の人柄や自分自身がよく描けてて読ませる内容だよー

162: 名も無き被検体774号+ 2012/07/02(月) 15:23:41.51 ID:aFMMewx00
>>160
ありがとう

文章とか書いたことあまりないので、多分読みにくいと思いますけど、
そう言ってもらえるとうれしいです

引用元: ・幼馴染の男の子の話

【2/3】小5の時、どこにでも居る普通の悪ガキの隣の席になった。何かあると代表で教師にゲンコツされたり、冬でも半袖半ズボンだったり。そんな幼馴染の男の子の話をしようと思う
【3/3】小5の時、どこにでも居る普通の悪ガキの隣の席になった。何かあると代表で教師にゲンコツされたり、冬でも半袖半ズボンだったり。そんな幼馴染の男の子の話をしようと思う




1001: 以下、おすすめ記事をお送りします: 2017年02月19日 11:53 ID:kijyomatome1