【1/5】憧れの1人暮らしで隣人に恋した
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【3/5】憧れの1人暮らしで隣人に恋した

881: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:09:16.75 ID:WYfnSAso
第16章 帰省

大晦日。
その日の深夜も俺は会社で仕事をしていた。

さすがに大晦日の夜は誰もいないや・・・。

通常は深夜の時間帯でも
1人か2人は、仕事をしている人がいても、おかしくは無い。




しかし、会社的な仕事納めも既に済んでいて
さすがに大晦日の深夜まで、仕事をしている物好きはいない。

そう・・・。俺以外には。

俺は一息ついて外に出た。

コンビニでカップそばでも買って来よう。
少し寂しいけど、年越しの行事はしておこう。

会社に戻り、カップそばにお湯を注いで、TVのある部屋に行った。
画面では新年のカウントダンウンに向けて盛り上がっている。

薄暗い会社の一室で
1人カップそばの出来上がりを待つ、侘しさが込み上げてくる。

887: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:17:12.49 ID:WYfnSAso
新しい年まであと5分・・・。

俺は目を閉じて、今年の自分を振り返っていた。

色々あったなぁ。
本当に色々と・・・。

おふくろと別れて、初めての1人暮らし。

まりあや油田との出会い。

入社早々に起こしてしまった大チョンボ。

でも川田さんがそんな俺を救ってくれた。

渡辺が隣に引っ越して来て・・・。

そうそう。まりあの誕生日!

あの時は焦ったよ。主役が来ないんだもんな。

でもあの日だったんだよね・・・。まりあと付き合ったのは。

初めてのデートで俺、川に落ちちゃったよ。本当にまぬけ。

次のデートの後か・・・。まりあと初めてキスしたのは。

その後は仕事が忙しくなっちゃって・・・。

そして大晦日の夜に、会社でカップそばなんか食おうとしてるよ・・・。

フーッ。と一つ大きなため息をついて目を開けた。

889: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:25:00.10 ID:WYfnSAso
TV画面から「新年、明けましておめでとうございまーーす!!」
という賑やかな声が聞こえてきた。

俺は「新年、明けましておめでとうございます。まりあ」と心の中で呟いた。

そしてカップそばをズルズルと食べる。

やっぱりまりあが作ってくれたそばの方が圧倒的に美味しいなぁ・・・。

ともかく新たな年に突入した。

俺の人生で、最も悲惨な1年がスタートした。

891: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 10:26:29.47 ID:aon.xS60
淋しい年越しだね…

892: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 10:28:31.15 ID:5GMkeTIo
年越しに一人で会社ってさびしすぎる・・・。
でも、TV業界に人は年越しに仕事はめずらしくないのかな?

895: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:32:08.34 ID:WYfnSAso
>>892
日の出撮影や、中継班は会社出て前乗りしてるね。
まだその人たちは賑やかだろうね

893: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 10:28:48.87 ID:xDPMKIco
激動の一年だったわけか
まあ次の年はもっとすごいのかもしれないけど

896: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:38:03.45 ID:WYfnSAso
一旦マンションに戻ってから
俺は実家に帰る電車に揺られていた。

結局、大晦日から元日は徹夜で仕事をした。

今は朝の6時。
カウントダウンイベントのために徹夜で運行していたのかな?

そう考えると、鉄道会社の人も大変だよね。
忙しいのは俺だけじゃないんだね。
お疲れさまです・・・。

それにしても、みんな笑顔だよね。
初詣にでもいくのかな?

新年だもんな。
みんなウキウキして当然だよね。

こんな疲れた顔をしているのは、きっと俺だけだよ。
そう思うと少し笑えてくる。

俺は電車で約2時間揺られ、実家のある駅についた。

もうすぐおふくろと会える!
そう思うと自然と足取りが速くなる。

実家に到着した。しばらく家を眺める。
俺がおふくろと2人で暮らしていた家。
それは俺が出て行った時となにも変わってはいない。

少し懐かしくて、中に入るのが、なんだか照れくさいような・・・。
そんな不思議な感覚がした。

909: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:45:29.03 ID:WYfnSAso
玄関のドアを開く。
カギは空いていた。

俺は元気な声で言った。

「ただいま~。帰ってきたよ。おふくろ~」

するとすぐに居間の方からパタパタという足音と共に、おふくろが出てきた。

おふくろ・・・。

なんだか少し懐かしく感じるおふくろの顔。

少しシワが増えたかな?
髪も少し白くなったかもね?

でもその優しい笑顔は何も変わってないね。

「おかえりなさい。光輝・・・。」
そう言ったおふくろの目は、早くも潤み初めている。

「ただいま。おふくろ」

914: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 10:48:17.49 ID:M3JxVoAO
カーチャン…

920: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 10:55:49.21 ID:MymFq6AO
やべぇ
パタパタという足音
チクショー泣けるぜwwwwwwww
なんでおふくろっていっつもスリッパ履いてんだろうな。

919: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:54:15.73 ID:WYfnSAso
約8ヶ月ぶりに会ったおふくろははしゃいでいた。

「ちゃんとお野菜食べてるかい?母さんは心配だよ。」

「そうそう。お神酒持ってきてあげるから、飲みなさいね。」

「おせち食べなさいね。光輝はカズノコが好きだから多めに作ったよ。」

「あっ!甘いもの食べるかい?お饅頭があったはずなんだけど・・・。」

俺はつい、あははと笑ってしまった。

「いいよ。おふくろもここ座りなよ。一緒におせち食べようよ。」

おふくろは「そうかい・・・」と言って俺の向かいに座った。

おふくろと向き合って座ると、この家に住んでいた時のことを思いだす。
それは妙に心地良い空間であった。

「光輝少し痩せたねぇ。お仕事忙しいのかい?かあさん心配だよ。」
俺の顔を覗き込みながら、おふくろはしみじみとそう言った。

「ん?大丈夫だよ。まだ1年目だし、慣れない部分で少し疲れただけだよ。
来年は後輩も入ってくるし!仕事はもっと楽になるよ!」

俺はおふくろを心配させないために、無理な笑顔を作った。

これは1年目の疲れでは無い。
完全なオーバーワークの疲れであった。

927: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 11:10:36.58 ID:WYfnSAso
「それよりさぁ。おふくろ・・・」
そういって俺は鞄から、お年玉袋を取り出した。

「はい。お年玉だよ。受け取って。」

おふくろは驚いた顔で俺を見ている。
そして「子供からお年玉なんか貰えないよぉ。」と言った。

「いや。受け取ってよ!俺就職が決まった時にね。
お年玉をおふくろに渡すのが夢だったんだ」

俺の言葉を聞いたおふくろがポロポロと涙をこぼした。
俺はそんなおふくろの手を取って、そっとお年玉袋を握らせた。

「ありがとうね。光輝・・・。」
おふくろは涙声でそう言った。

その後は2人でおせちを食べた。

そうそう!この味だよな!

親父が亡くなって、家がどんなに貧しくなっても
おふくろはおせちだけは必ず作った。

そのグレードを落とすことも、決してしなかった。
そこには貧しいなりに、おふくろの意地を感じた。

おせちを食べたあと、俺はおふくろの肩を揉んでいた。
おふくろの肩を揉むのも随分久しぶりだよな・・・。

物思いにふけっていると、玄関がガラガラと開く音がした。

「明けましておめでとうございますーーー!!おばさん勝手に上がるよーーー!!」
懐かしいその声・・・。

それは俺の親友、悟の声だった。

931: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:11:55.14 ID:aon.xS60
悟きたーーーーーーーーーーーー!!

935: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:12:26.96 ID:zTVHP3s0
悟出たwwwwww

939: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:14:22.97 ID:TywBvaw0
要 注 意 人 物 出 現 !!!!

946: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:18:01.50 ID:5GMkeTIo
最近、油田が登場しなくて少しさみしいのはオレだけ?

949: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:19:38.09 ID:M7U5XYDO
>>946
安心しろ!
俺もだ

948: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 11:19:01.30 ID:WYfnSAso
居間に向かって、ドカドカと悟の足音が近づいてくる。

勝手知ったる幼馴染の家・・・ってやつか。

居間に入ってきた悟。

「おばさんおめでとーー。これ日本酒だよーー・・・」
俺の存在に気がついた悟が、驚いた表情で固まる。

「なんだよ!光輝!!帰ってたんかよーーー!!!」
相変わらず声のデカイやつだ。

俺の幼馴染であり、親友である悟はハッキリいってイケメンである。
身長も180cmあり、色黒でシャープな顔立ち。
速水もこみちにそっくりだ。

しかも社交性も抜群にあって。
スポーツ万能。趣味で3on3なるバスケもやっている。

職業はフリーターだが、全国の色々な場所を旅する
自称「自由人」である。

もちろん俺がコイツに勝てる部分は、外見でも内面でも1つもない。

955: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:23:39.00 ID:M7U5XYDO
悟スペック高杉wwwwww

きっとニノさんが一人暮らし始めた後も、ちょくちょく顔出してたんだろうな。
セリフと行動から何となくそんな気がした。

959: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 11:28:21.87 ID:WYfnSAso
「この後ね。お前の家に行こうと思ってたんだよ。」

俺がそう言うと「そうか!そうか!」と言って悟は肩を抱いてきた。

こういう行動がサラリと出来て、なおかつ嫌味がない。

はいはい。あんたは本当にカッコイイよ。

「そうだコレ飲め!高い日本酒だ!おぱさんも飲むよね?コップ3つお願いね」

本当に凄まじい社交性というか・・・。
なんというか・・・。

でも俺のおふくろも、悟のそういう性格は理解している。
根心の優しい、本当にイイ子だといつも言っている。

まさにその通りである。

今日も俺のおふくろを心配して、こうして訪ねて来てくれたのだ。

3人でおふくろのおせちを食べて酒を飲み、大いに笑った。
やっぱり帰ってきて良かった。

仕事で張り詰めていた緊張が、ほぐれていくのが分かる。
やっぱりここは、俺が1番安らげる場所なんだな。

俺は悟を連れて自分の部屋に行った。

962: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:31:13.47 ID:v2tGf7k0
見てると胸が痛くなってきた

964: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:31:36.40 ID:MyvlbIDO
悟がいい奴すぎて…この後の展開を思うと胸が痛い…

969: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 11:34:21.19 ID:WYfnSAso
ここも何も変わっていない。

この机で俺は、毎晩勉強をしたんだ。
なにも楽しみが無かった。

来る日も来る日も、それまでの行いを贖罪するかのように勉強ばかりしていた。

俺は悟と再び日本酒を飲み始めた。
さすがに寝ていないので、酒の回りが早い。

それでも親友と酒を飲みながら話すのは本当に楽しい
ついつい飲みすぎてしまう。

俺は親友に報告した。

「実はさ・・・。俺彼女できたんだよね。」

972: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:37:41.93 ID:M7U5XYDO
言っちゃらめええええええ

978: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:40:42.49 ID:HaNsjQUo
彼女を親友に紹介する・・・

ごくごく自然な話の流れだよな・・・

979: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 11:41:13.75 ID:WYfnSAso
悟は驚いた様子で
「マジかよ!?どんな子なんだよ?可愛いのか?何歳なんだ?」
矢継ぎ早に質問をしてきた。

それらの質問に答えながら俺は最後に
「本当に大好きなんだ。こんなに女の子を好きになったの初めて・・・。今度悟にも紹介するよ」
と言った。

それを聞いた悟は
「んじゃ正月が明けたら、光輝ん家行っていいか?俺バイト辞めたばっかでヒマなんだ。
しばらくホームステイさせてくれよ!お前の住んでいる土地もブラブラしてみたいしさ。」

俺は気前良く言った。
「好きなだけいていいよ!俺は忙しいけど
他にも油田ってヤツとか、渡辺ってのがいて楽しいぜ!まるで下宿みたいだよ。」

そして俺は、酒に潰れてとうとう眠ってしまった。
「明日には帰らなきゃ・・・。仕事しなきゃ・・・。」
そんなことを考えながら。

意識が遠のく中で
悟がそっと布団を掛けてくれた記憶がある・・・。

982: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:41:49.41 ID:soZkMASO
胸が痛すぎてレスも出来ねえ

983: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:42:20.06 ID:HaNsjQUo
あああああああ
居候とか絶対にらめえええええええ

984: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:42:44.71 ID:1CUyfLso
死亡フラグキタワ

引用元: ・【油田は】憧れの1人暮らしで隣人に恋した パート6【俺のアイドル】

122: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:07:08.64 ID:WYfnSAso
第17章 転落

「それじゃ帰るね!」
俺は玄関でおふくろにそう告げた。

当初の予定ではもう1泊くらいを考えていたがそんな余裕はやっぱり無かった。

結局、俺の正月休みは1日だけとなった。

「本当に体だけには気をつけてね。無理だけはしないでよ」
おふくろは心配そうに俺を送り出してくれた。

「うん。大丈夫。じゃあね。」
そう言って俺は玄関を出た。

今度ここに帰ってくるのはいつだろう?

俺はふと、8ヶ月前の引越でこの家を出た時と同じことを思った。

でも今はあの時と状況が全然違う。

仕事では責任が課せられ
プライベートではまりあを大切にしなければいけない。

たった8ヶ月の間に、俺を取り巻く状況は変化したのだ。

俺は駅まで走った。
丸1日、24時間以上を無駄にした。
このロスは大きい。

早く会社に戻らねば!

電車の中でも俺は落ち着かなかった。
この時間があればアレもできるのに!コレもできるのに!と仕事のことばかり考えていた。

128: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:10:44.89 ID:PyQbY2AO
帰省を無駄とか言うなよ…

130: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:11:09.45 ID:WYfnSAso
俺は会社に飛び込むと、早速自分のデスクに向かった。
スケジュールを確認し直してみる。

モーニングステーションが今月2週目のO.A
旅日記が4週目のO.A
どう考えても時間が無い。

1週目の末には、モーニングステーションのロケを行わなければ。

2週目の前半で、モーニングステーションのオフライン編集、ナレーション台本を作成。
その合間を縫って、旅日記のロケハン(ロケーションハンティングの略。ロケ地の下見)
旅日記の企画書を作成。

2週目後半で、モーニングステーションのオンライン編集とMA。さらにはO.Aの立会い。
旅日記の取材先に許可申請。

3週目の前半で、旅日記の台本を作成。技術打ち合わせ。ロケ準備。

3週目の後半で、はロケ準備。ロケ。

4週目で、オフライン編集。ナレーション台本の作成。オンライン編集。MA。そしてO.A

俺は冷や汗が出た。

できるのか?一体・・・。

こんなスケジュールで・・・。

132: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:12:30.75 ID:xDGCw0Q0
なんかここまで来るとさ・・・二ノは仕事が充実してるみたいだし、まりあは悟に任せて正解だったんだろうなーって思えてきた

138: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:18:48.16 ID:WYfnSAso
普通に考えてADの付いていない俺には、到底無理なスケジュールである。

あの天才田畑さんでも相当ヤバいスケジュールだろう。これは・・・。

しかも俺は長尺物が初めてである。
今回は2本ともがその長尺物だ。

もしどこかで、スケジュールがズレ込んだら・・・。
俺はそれを考えて、一瞬身震いがした。

でもやるしかない・・・。
やるしかないんだ・・・。

俺は早速仕事に取り掛かった。

その日からの記憶はあまりない。

日付は1月5日になっていた。

2日に会社に戻ってから一睡もしていなかった。
会社の新年会にも顔を出していない。

俺は自分のデスクにうつ伏せ状態になっていた。
体がピクピクと痙攣しているのが分る。
睡魔や疲労と戦っていた。

だめだ・・・寝ちゃだめだ。
でもこのままだと・・・。
今日は旅日記のロケハンに行かないといけないのに・・・。

その時、俺の目の前で携帯が光った。

着信だった。悟だ・・・!
電話に出た。

139: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:23:44.85 ID:WYfnSAso
「はい・・・。」

「おう!光輝。俺だよ」

「ああ・・・。」

「今お前の家の近くなんだけど、今日は何時に帰ってくる?」
住所と地図は、おふくろに預けてきていた。

早速、来てくれたんだ・・・。

「わかんない・・・。でも遅いよ・・・。」

今日は帰る予定など初めからない。
でも悟が来てるんだ・・・。
帰らないと・・・。まずいよね・・・。

俺はボーッとした意識でそんなことを考えていた。

「そっか。俺はその辺ブラブラしているから!
終わりそうな時間になったら電話してよ!」

「あっ・・・。待って悟・・・。」

142: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:24:37.87 ID:1k5/UBM0
このスケジュールは周りの人は把握してないもんなの?
南さんとか声かけてくれればいいのに・

147: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:26:28.26 ID:WYfnSAso
>>142
してるよ。
でも基本逃げてます。
もちろん「大丈夫か?」くらいは言ってくれますが・・・。

145: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:25:59.78 ID:k9kYjyE0
まだまだサトルッチが憎めない

148: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:30:07.52 ID:WYfnSAso
「俺の電話が無い場合は301号に行って。
そこの油田・・・。友達だから。
事情説明してくれたらいいから・・・。」

でも油田も実家に帰っているかも?
どうなんだろ?

「もし油田がいなかったら・・・。」

まりあが帰っている。
昨日、そんなメールが来ていたような気がする。

「302号に行って。それ俺の彼女の部屋だから・・・。」
俺が紹介できないけど、まぁいいか・・・。
2人には早く仲良くなって欲しいし・・・。

今の俺ならば、そんなことを言わないかもしれない。
それは少し賢くなって、少し人を疑うことを覚えたといえる。

でもこの時は、純粋に悟とまりあを信用していた。
「信用していた」というのも適切ではない。

俺の親友と俺の彼女。
その2人になにかが起こるなんて、想像もしていないのだ。

153: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:31:36.94 ID:WOPoYWoo
あああああああああああああああああああああああ
悟いれちゃらめえええええええええええええ

155: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:32:13.23 ID:gztFimI0
なんか仕事にしろ悟にしろ安請け合いしすぎ。
悟に「歓迎するよ」と言う所まではよくても、せめて来る前に連絡ほしいとか
今はちょっと多忙過ぎとかなぜ言えないかなぁ

158: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:37:16.03 ID:WYfnSAso
>>155
本当だよね。
仕事は新人すぎて自分のキャパ知らなかったなぁ。

片桐さんの件は絶対無理って分かったけどねwwこんな俺でも。

まりあも・・・恋愛経験少ないってやっぱダメだね。

157: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:35:11.46 ID:WYfnSAso
俺はその電話の後、なんとか気力を振り絞ってロケハンに出ていった。
もはや立っているのすら危うい。
しかし現場までの電車で眠れるのが、俺には有り難かった。

なんとかロケハンを済まして会社へ戻る。
すぐにモーニングステーションの台本を書く。

それが苦痛で仕方がない。
それでもやるしかなかった。

それが俺の仕事だ。
もうスケージュールは、1日だって延ばすことは出来ない。

台本が完成した。
もう22時になっていた。
それを局Dの木下さんにメールした。

これでOKが出れば、やっとロケに出ることが出来る。
そうすれば、少しは先もは見えてくるというものだ。

161: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:38:04.69 ID:aon.xS60
当時の二宮は悪い意味でいい人だな

167: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:41:23.62 ID:gztFimI0
>>161
その表現いいね!

164: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:40:16.07 ID:WYfnSAso
俺はここでやっと悟のことを思いだす。

やばい・・・。
アイツ俺の部屋のカギ持ってないじゃん・・・。

俺は悟に電話をした。

悟が電話に出た。
「ごめん悟。いまどこ?」

悟は明るい声で言った。
「今まりあちゃんの部屋だよ!いい子だな。まりあちゃん」

ドクン・・・。
俺の胸が変な高鳴りをした。
なんだ?この感覚・・・。

「そ・・・そうなんだ・・・。まりあは?元気?」

「ちょっと待ってろよ!」
悟がそういって受話器から口を遠ざけた。

かすかに聞こえる声。
「光輝がまりあちゃんと話したいみたいだよ~。」

しかしまりあの返事は聞こえない。

その代わりに、悟のはっきりした声が返ってきた。
「なんかまりあちゃん、カレーの材料切ってて、手が離せないんだと」

ドクン・・・。
またあの変な胸の高鳴りだ。

「そ・・・そうか。俺も今から一旦家に戻るよ。
お前、俺の部屋のカギ持ってないしさ。そこにいてくれ・・・。」

「はいは~い」
という悟の返事を聞いて電話を切った。

俺は会社を出てタクシーを拾った。

170: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:41:55.42 ID:aon.xS60
油の家に行けよ悟ううううううう

172: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:42:30.02 ID:.9W2jro0
アブラディいなかったんじゃね?

174: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:43:56.82 ID:aon.xS60
>>172
油田いいところで使えないな

175: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:44:10.48 ID:WYfnSAso
疲れていて、電車に乗るのが苦痛であった。
しかしそれとは別に、もうひとつの感情もあった。

早く家に帰りたい!

俺はタクシーでずっと考えていた。
なんだろう・・・。この感覚は・・・?
心にポツリと出来た、違和感とでもいおうか・・・。

仕事でクタクタのはずの脳が、妙にクリアになってゆく。

俺はタクシーを降りるとエレベーターを待った。

エレベーターが1階に到着すると油田が降りてきた。
「どうもどうも!いや~二宮さん。なんかお久ですね~。」

テメーいるんじゃねーかよ!
肝心な時に留守にしてんじゃねーよ!

俺はエレベーターに乗り込むと、3階のボタンを押した。
なんでだ?なんで俺こんなに急いでいるんだ?

彼女と親友が一緒にいるだけじゃんよ。
なんも急ぐことなんかねーじゃんよ。

177: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:44:49.56 ID:.9W2jro0
いたのかよwwwwwwwwww

186: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:48:56.77 ID:WYfnSAso
3階に到着すると、俺は真っ直ぐに302号へ。
慌ててインターホンを押した。

「はい!」
まりあの声だ。

「俺・・・。光輝」

すぐにドアは開いた。

「おかえりなさい!光輝くん」
まりあが笑顔で出迎えてくれた。

なぜかホッとする。

「お友達の・・・悟くん?待ってるよ。」

「うん。俺がここで待ってくれって言ったんだ。ごめんな」と言って俺はリビングに上がった。

リビングでは悟がカレーを食べていた。

・・・なに?この感じ。
このすごく嫌な感じは?

悟は俺を確認すると
「よっ!遅くまでご苦労さん!」と言った。

俺は無言でリビングに腰を下ろした。

キッチンからまりあの声が聞こえる。
「光輝くんもカレー食べるでしょ?いま入れるからね!」

悟がコソッと俺に言ってきた。
「まりあちゃん可愛いな。やったじゃん」

まりあがカレーを温めながら言う。。
「悟くんって楽しい人だね。なんか光輝くんとタイプが違うね~。」

どういう意味だよ・・・。

188: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:50:16.54 ID:r0TPxJgo
ニノがまがまがしくなってまいりました・・・

193: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:51:26.33 ID:NK1G9fM0
苦労している二宮が救われないのがかわいそ過ぎる・・・・

209: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:54:41.45 ID:WYfnSAso
「いらない」
そう言って俺は立ち上がった。

まりあは「え?なに?」と聞き返してきた。

「今はカレーなんか食べてる時間ないんだ。すぐに会社に戻らないと」
悟はそんな俺の言葉を聞いて、目を丸くしている。

「悟。これカギ。303号だから。今度いつ帰るか分からないから自由に部屋を使ってくれ。」

そう言って悟にカギを渡すと、俺はリビングを出た。

キッチンにいる、まりあの横をすり抜ける。
まりあは意味が分からない、といった感じでキョトンとしていた。

302号を出るとエレベーターに乗り込み、再び会社に急いだ。

嫌な感じの正体は分かっていた。
それは嫉妬心だった。

216: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:56:26.66 ID:xDGCw0Q0
>>209
私だって好きな人と友達が2人部屋にいたら嫌だよ・・・
お前さんの気持ちはよくわかるさ
さっきまで悟良いやつだと思ってたのになー。
行動が軽率すぎるよ

210: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:54:41.89 ID:3wyD2x.o
ところで、ニノは今でも悟と親友なの?

215: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:56:01.34 ID:WYfnSAso
>>210
今のこの段階で知りたい?

218: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:56:35.97 ID:Pv..3Dco
>>215
やめてくれ

222: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:56:54.44 ID:6aKYWm.o
>>215
やめてええええええ

226: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:57:52.00 ID:xDGCw0Q0
悟のスペックは内面が素晴らしいはずなんだ。
こんなことするヤツじゃないんだ。。。

227: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:58:31.60 ID:k9kYjyE0
悟とまりあに腹立てるのはまだ早くない?
当時のニノに余裕がなかっただけで、二人はまだ何も悪くないと思うんだけど…。
なんかズレてる?

233: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:59:57.64 ID:xDGCw0Q0
>>227
自分女だけどさ、彼女と友達が自分の知らない間に部屋で2人きりってシチュがもう駄目。

この人らもうアカンわ。

悟とまりあアキマヘンワー!

246: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:02:04.57 ID:k9kYjyE0
>>233
でもそれってニノ自身がセッティングした場なわけだよね?

267: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:14:55.43 ID:NQX0kwgo
>>246
勝手に来るからだろ
しかも油いたのに

273: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:18:00.85 ID:qaA/jgso
>>267
鍵渡すの忘れたからまりあの部屋にって言ったのは二宮だぜ?
それでカレー食ってるだけの悟に嫉妬してカレーイラネって会社戻ったんじゃまりあも不安になるよ。
まぁおれも同じ状況なら嫉妬してまりあが来てくれるのを待つけどなwwww

282: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:22:05.43 ID:k9kYjyE0
>>267
自称「自由人」のフリーターに「忙しいけど、好きなだけいていいよ!」って言ったら、
そりゃ勝手に来るだろ。

自分が悟だったら、男友達の顔と、親友にようやくできた彼女の顔、どっちが見たい?

231: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:59:33.39 ID:WYfnSAso
今日はここでオチますね。

でもあれですね。
ちょっと精神的にきますねwwさすがに。
今なら平気で書けると思ったけど。
これから書くの辛い場面満載です。
頑張って書かなければ・・・。

それじゃ皆さんノシ

234: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:00:05.02 ID:BY8yzS.o
「カレー食って悟を自分の部屋に連れていく」までしなきゃダメだろ。
しかも「カレーなんか」って一言多いしww

せめて「仕事が山積みですぐに会社に戻らなきゃ」って言え

242: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:01:18.23 ID:j7dN25M0
>>234
「カレーなんか」発言が引き金になるのかもしれないぜ。

240: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:01:02.41 ID:WOPoYWoo
おつかれ
きついかもしれないけど続きがんばってほしいぜ

249: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 19:02:30.88 ID:WYfnSAso
あっ。精神的にきつくてのオチではないので!
大丈夫ですよ~ノシ

252: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:03:20.32 ID:xDGCw0Q0
>>249
いやもうこの時点で説得力が全然ないんスけどニノちゃん・・

344: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 20:01:33.04 ID:WYfnSAso
ちょっと1つだけレスしとくね。
やっぱり文章って本当に難しくてかなり丁寧に書いたつもりでも書ききれていない部分もあるね。

悟がアポなしで来たのは

ヤツなら俺と連絡を取れなくてもカプセルに泊まるし、最悪は野宿でもするつもりだったと思う。
変な野草も食い分けるワイルドさがあるヤツです。

まりあの部屋に行くのも、ヤツならなんの抵抗もないだろな・・・。
アイツの社交性ハンパないから
(これは家の実家に来たくだりで、なんとなく分かるかも?)

とにかく海外行っても、その日知り合った外人の家に泊まれるやつですww
英語カタコトでww

あと、まりあにはよく悟の話をしていました。
だから俺の親友ってことは知ってましたね。

みんながどんな意見を言っても、俺は自由だと思っています。
ただ参考資料としてというか、書ききれなかった情報だけは
置いておきますね。ノシ

347: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 20:03:05.28 ID:k9kYjyE0
>>344
補足ありがと。
じゃぁ、やっぱりこの段階では誰も悪いわけじゃないんじゃない?

351: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 20:05:30.29 ID:gztFimI0
>>344を聞いてしまうと、ともかくそれらをニノは解ってたわけだから
二人にここまでには全く落ち度も無いってことで
結局ニノの自爆ということに

353: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 20:07:06.20 ID:qaA/jgso
>>344
わざわざ補足まで乙
仕事がんばれ
続きも楽しみにしてる

348: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 20:03:13.35 ID:xDGCw0Q0
>あと、まりあにはよく悟の話をしていました。
>だから俺の親友ってことは知ってましたね

それっていつの話なの?
仕事が忙しくてまりあはほったらかしてたんだよね?

355: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 20:07:35.86 ID:WYfnSAso
>>348
そこまで表現するとさすがに本編では・・・だけど。
例えば初めてまりあのカレー屋行って
一緒に帰った時でも「俺の友達に悟っていてさぁー」とか

川辺でデートした時でも
「親友の悟って前話したじゃん?あいつその辺の野草を・・・」

ってな感じで「いつ?」と聞かれても話すぎて
そこまでは本編に入れきれない状態です

356: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 20:08:45.43 ID:xDGCw0Q0
>>355
そっかー乙かれー、でも二宮は今は幸せなんだよね?

359: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 20:09:59.18 ID:WYfnSAso
>>356
どうだろう・・・。それは最後まで付き合って下さいな!
その時に判断して下さい!

んじゃ仕事しますね。ばいばいノシ

361: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 20:16:09.35 ID:Pv..3Dco
悟は「気の置けない」やつだったんでしょ?
あいつなら大丈夫って

しかたないさ

368: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 20:40:50.48 ID:floVmcDO
せつないね

638: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:24:30.18 ID:igSjZhIo
ただいま。
今から投下していきますね。

644: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:30:12.05 ID:igSjZhIo
俺は会社に戻ると、旅日記の仕事に取り掛かった。

もう何時間、寝ていないだろう・・・。

しかしやらなければ!

やらなければ・・・。

やらなければ・・・・・・。

怖い!怖い!怖い!怖い!

もし俺がやらなければ・・・・。


O.Aに穴が空く・・・。


怖い・・・。怖い・・・。怖い・・・。怖い・・・。

俺の心は完全に、仕事の恐怖に支配されていた。
しかも僅にある隙間には、嫉妬心が入りこんで来る。

もう作品を創る精神状態では無い。

でも手を休めるわけにはいかない。
俺がここで手を休めれば、全てが崩壊する。

心身ともに限界にきていたのは、自分でも気づいていた。

649: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:37:36.55 ID:igSjZhIo
俺はこの日も徹夜をした。
そのモチベーションは、仕事からくる恐怖心だけである。

朝になり、序々に社内に人が増えてくる。
しかしそんな事すら、もう眼中に入ってこない。

誰かの声が聞こえた。
「二宮~。電話~。木下さん」

ドキッ・・・。なんだ一体?

「はい。お世話になります。二宮です。」

木下さんの元気な声が、受話器から飛び込んでくる。
「どうも!木下です。昨日は台本ありがとうございました!」

「いえ。こちらこそ。遅くなりまして。」

ホッ・・・。そんなことか。
台本を受け取ったというの確認の電話か・・・。

「それでですねぇ・・・」

え・・・。

「台本にもう1ネタ盛り込んで欲しいんですよ。」

え・・・。待って・・・。

650: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:39:06.25 ID:igSjZhIo
こっから超鬱展開しか待ってないけど

気にしなくていいから、みんな好きにレスしてよww

明るくやりましょう!(無理か・・・ww)

652: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:40:31.45 ID:GJYMve20
ニノ、マジかよもう鬱しかないのかよぉぉー

653: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:40:33.58 ID:dLw4.foo
鬱展開クル━━━━━━('A`) ━━━━━━ !?

659: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:45:14.03 ID:igSjZhIo
「はぁ・・・」

いまからもう1ネタなんて・・・。

時間的に無理だよ。

探す時間が無いよ。

探したとしても取材申請がいるよ。

それを台本に入れないといけないよ。

しかし局Dの意向である。
一見、お願いされているような感じだが、これは命令である。
こちら側に断る権利など、100%ないのだ。

「分かりました・・・。なんとか頑張ってみます・・・。」
そう言って電話を切った。

これは身の破滅だ。
どうしよう・・・。
もうどんなに頑張っても、スケジュールをずらし込む場所がない!

その時、俺の携帯が光った。
まりあからのメール受信だった。

「ヾ( ' - '*)オハヨ♪こんばんなんぢにかぇる??
悟くんの歓迎ぉかねて。こんや焼肉ぱーちーしませんか(o⌒∇⌒o)」

・・・・・・・・。

いまは悠長に焼肉なんか食ってる場合じゃないんだよ・・・。
それに悟って・・・。

俺は「2人で食べて下さい。」と返信した。

そんなことより仕事だ。

冷や汗が止まらない。
なんとかしなければ!!

663: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:47:18.05 ID:6KxBKlA0
>>659
>しかし局Dの意向である。

局Dと外部Dだと、局Dの方が上なの?
テレ朝Pと東映Pだったら、東映Pの方が上っぽいけど。

665: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:49:28.92 ID:igSjZhIo
>>663
もう神と町人以下

東映の場合は
スポンサーになることもあるからじゃないかな?

普通のプロダクションは
スポンサーになることなんてまずないからね

670: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:51:54.70 ID:6KxBKlA0
>>665
お答えありがとう。
木下がチーフディレクターで、二宮がサブディレクターって感じ?

676: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:53:34.92 ID:igSjZhIo
>>670
正しくはMD(メインディレクター)とコーナーDだね。

MDの演出方針に沿って、コーナーV創るのが仕事ですね。

673: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:52:22.46 ID:oPhGj0M0
×「2人で食べて下さい。」
○「ごめんな、どうしても仕事がさらに入ってきちゃって・・・」

これでぜんぜん違うのに

680: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:55:58.45 ID:igSjZhIo
>>673
当時はね・・・。

そのメール打って送信するじゃん。
したら返信くるのが怖かった。

「え・・・どうしたの?」
「いや仕事がテンパって・・・」

この2つのやり取りで5分食うとするじゃん?
5分はでかすぎた。
5分あれば台本3行は書けるんだ。

それくらい緊迫した状態。

684: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:58:08.60 ID:dwoUKtI0
学生には絶対に理解も想像もできないから、説明してもしゃーないんじゃないか?
大変なんだねー、とか言いつつ(会う時間くらいあるでしょ!そんなに忙しいとかありえない!)と、思う。
別に悪いことじゃない。
学生なら仕方が無いんだ。

687: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:02:41.31 ID:Xs1HoV6o
>>684
そこいらのギャップがまりあ・悟と二宮間であったんだろうな
胃が痛くなってきた

692: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:05:32.26 ID:iMVfzwI0
>>687
それでもメールに5分取られるのがきついって事は、トイレ行くのがきついとか、飯食うのがきついとかそういうレベルでしょ?
俺には想像もつかないよっぽどだったんだろうな。

697: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:11:02.55 ID:igSjZhIo
>>692
飯は48時間程度なら平気で食わないよ。
恐怖とプレッシャーで、まず腹が減らない。

トイレも極力我慢して1回で済ます感じww

今でも24時間くらいなら食わないかな。
スタジオ入ると。

671: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:52:12.83 ID:igSjZhIo
俺は制作部の同期を捕まえた。
もう、なにふり構っていられる状況ではない。

「頼む。助けてくれ!この通りだ!」

俺は事情を説明した。
「2~3時間なら手伝えるよ」
同期は、そんな俺を見かねて快諾してくれた。

そして神様はいた。

同期の手伝いもあって
俺はなんとか、新たなネタを見つけ出すことができた。

「ありがとう。ありがとう。」
俺は同期に何度もお礼を言った。

僅かに延命が出来ただけかもしれない。
しかしなんとか延命ができた。

早速、局Dの木下さんに電話をして新たのネタのOKを貰った。

しかし一連の作業は、夕方までの時間を俺から奪った。

もう本当に、待った無し!である。

そこから週末までは、2時間程度の睡眠でなんとかモーニングステーションのロケに持ち込めた。

689: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:03:02.48 ID:igSjZhIo
もう時間の感覚は、完全に無かった。
24時間が早すぎる。
年末にカップそばを食べたあの頃が、嘘のように暇に思えた。

その間、まりあや悟から何度かメールがあったと思う。

いつのメールか?
どんな内容だったか?
返信はしたのか?

全く覚えていない。
でも恐らく返信はしていないと思う。

ロケから帰って、すぐにオフライン編集を開始した。
睡眠や休憩とることなど、初めから頭に無い。

これさえ終われば・・・。
これさえ終われば・・・・・・。

なんとか、旅日記の制作期間に入ることができる!

いまこの時点から、制作期間に入っても相当遅い。
一週間はまともに寝ることが出来ないであろう。

しかし今の俺には、それだけが僅かな希望の光であった。

次の日の朝10時過ぎに
オフライン編集が終了した。

695: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:08:53.98 ID:igSjZhIo
早く局Dの木下さんに、プレビューをしてもらわなければ!

社内を見渡す。
片桐さんはまだ出社していない様子だ。

もうあんなオッサンを待っている暇など1秒もない。
俺は木下さんにアポを取り、会社を飛び出した。

木下さんは俺のオフラインをジッと観ている。

15分のVが終わると木下さんは
「うーん」と唸った。

ど・・・どうなんだ?OKなのか?

木下さんは「そうだなぁ・・・」と言って大きく伸びをした。

ドクン・・・。
ドクン・・・。

脂汗が出る。

「申し訳ないけどこのシーン。もう少しカット数増やして下さい」

そ・・・それは・・・。
つ・・・つまり・・・。

「再撮(影)お願いします。」


再・・・・撮・・・・。


身の破滅が決定した瞬間だった。

702: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:18:39.67 ID:igSjZhIo
会社への帰り道、携帯にメールの着信がきた。
まりあからだった。

「悟くんと心配してぃます。。。ぃつかぇってきますカ??」

俺はフッと笑った。

悟くんと・・・か・・・。

携帯を閉じた。

俺は今から会社に帰ってある報告をする。
俺の信用を全て奪ってしまう、重要な報告である。

今度こそ会社を辞めるかもな・・・。

重い足取りで会社へ戻った。

俺は制作部のフロアに入ると、真っ直ぐに白井さんの元へ言った。

そして深々と頭を下げ
「申し訳ありません。旅日記は・・・。出来なくなりました。」と報告した。

白井さんは、驚いた顔で俺を見つめ
「なに言ってるのよ・・・今さら・・・」と震える声でそう呟いた。

俺は歯を食いしばった。
きっとこれから、俺に浴びせられる言葉は、想像を絶する罵倒だ。

「なに言ってるのよ!!!!あなたは!!!!」

白井さんは立ち上がって、俺を怒鳴りつけた。

710: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:26:04.88 ID:Xs1HoV6o
>>702
経験浅い時って断る、できないって言うのが最大の迷惑みたいに
思ってしまうが早めの対処の方が実は求められてたりするんだよな
育てる側にまわって痛感したことだが

715: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:29:32.03 ID:oPhGj0M0
>>710
そうだよね
あと、がんばるつもりで無理しすぎて倒れるとかも一番困る

709: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:25:57.67 ID:iMVfzwI0
わかりやすい、新人の陥る罠だな。
ブラックもそうなんだけど、何のトラブルも無く行けば上手くいくスケジュールを組んで自爆する。
無理なら無理という事も信用ってのに若いうちは気が付かないものだ。

711: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:27:23.16 ID:jUZaOMAO
崩壊へのカウントダウンが…

712: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:27:42.18 ID:dwoUKtI0
できないことはできない、とはっきり言う方が信頼は得られるね。
土壇場でできない、というのが最も最悪。
押し付けたほうが悪いとかいう意見を言う奴も居るが、できないと言わないほうが悪い。
学生のイジメじゃないんだから。

714: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:28:54.65 ID:igSjZhIo
フロアにいた全員が、こっちを見るのが分かった。

「私は1度、あなたにできるか?って聞いたわよね!!??
その時、あなたできるって言ったわよね!!??」

白井さんの声は更に大きくなった。

「申し訳ありません。自分の力不足でした・・・。」
俺は頭を下げたままそう言った。

涙がこぼれ落ちる。

「いい加減にしなさいよ!!!ふざけないでよ!!!」

当たり前だ。
白井さんが怒るのは無理もない。
この件で悪いのは全て俺だ。

白井さんは俺にチャンスをくれた。
それをこんな形で裏切ってしまった。
どんなに罵倒されても仕方がない。

「もうどっか行ってよっ!!あなたの顔なんか見たくもないからっ!!」

さすがにこの言葉はショックだった。
胸が潰されるような思いだ。

俺はもう一度
「大変申し訳ありませんでした・・・。」
と声を絞り出し、白井さんの元を離れた。

723: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:34:44.84 ID:igSjZhIo
そしてそのまま真っ直ぐに、今度は片桐さんの所へ行った。

「モーニングステーション。再撮になりました。」

片桐さんは俺の報告を聞いて、急に難しい顔になり
「おいおい大丈夫か?間に合うように出来るのか?」と言った。

その言葉を聞いた瞬間、俺の中で何かがブチッと切れた。

出来るのか?

・・・・出来るのか?

・・・・・・・・出来るのか?・・・だと?

気がつくと、俺は怒鳴っていた。

「最初に出来ねーって言ったのに、無理やりやらせたのはアンタだろがっ!!!!」

もう何がなんだか、分からない状態であった。

制作部のフロアが、水を打ったかように静まり返った。

驚きの表情で、ポカーンとしている片桐さんを尻目に
今度は制作デスクの松井さんの所に行った。

「俺。今から早退させてもらいます。失礼します。」

そう言って俺は自分のデスクに向かった。

732: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:44:43.45 ID:z46JU0go
きれるなら最初に押し付けられたときにきれろって。
仕事の件もまりあのことも8:2ぐらいでニノが悪いんじゃん。

740: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:48:34.81 ID:igSjZhIo
>>732
いやそれは無理ww
会社の命令は絶対だから。

俺が切れたのはもっと別の部分だよ。

748: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:52:28.13 ID:z46JU0go
>>740
でも結局最後はきれたんでしょ?
ギリギリになってできないっていうより、
最初にできないって言ったほうが迷惑の範囲は小さくて済むんじゃないの?

751: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:53:52.62 ID:yc6hRAUo
>>748
最初にできないっていってるのに半ば無理やりにやらせた上司が悪いだろどうかんがえても

755: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:54:26.75 ID:igSjZhIo
>>748
だからそれは言ったよ。
松井さんと、片桐さん交えた時にね。

「白井さんの仕事があるのでできません」って
文章にコメントとしてなかったね。

ごめん

733: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:44:49.72 ID:igSjZhIo
松井さんが、俺を追いかけてきた。
「落ち着きたまえ。二宮くん!」

落ち着け・・・か。
その言葉を聞いて、なぜか笑いが込み上げてきそうになった。

「先輩は・・・。手伝ってくれる先輩はどこにいたんすか?」

1人で眠らずに仕事をやっていたことが、なんだか急にバカらしくなってきた。

俺はそういい残すと、自分の荷物を持ってサッサと会社を出て行った。

もう全てがどうでもいいと思った。

俺は電車に揺られながら、一点を見つめ廃人のようになっていた。

さっきまで色々なことを、同時に考えていた脳が今は1つのことにだけ支配されていた・・・。

「もうどっか行ってよっ!!アナタの顔なんか見たくもないからっ!!」

白井さんのその言葉が、何度も何度も俺の頭で木霊していた。

入社したてのミスの時は「死にたい」と思った。
しかし今回は違う「死にたい」と思うことすら面倒くさい。

時の流れに身を任せて、とにかくボーッとしていたかった。

マンションに到着した。少しホッとする。
とにかく寝よう。
今までの分も寝よう・・・。

747: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:51:52.58 ID:igSjZhIo
やっぱり動物としての本能かな。
ここで言わないと殺されるって思ったかも。

このままのノリで仕事つんで来る
ことが予測できたし、うーん。窮鼠猫を噛むってか

本当に本能で生命の危機まで感じてたんかな

754: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:54:19.26 ID:Mhlb1Vw0
なぜ、二宮が切れたのかいまいち分からない。
ニノの切れ方は完全な逆切れなんだが。

760: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:56:55.11 ID:igSjZhIo
>>754
そうだなー。
>>747
片桐さんの「出来るのか?」だろうな。

今更そりゃねーぜって。
最初に出来ないっていったの無理やりやらせたじゃんって。

そんじゃ断ればって言われると
>>740
が答えになるなぁ

756: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:55:17.34 ID:wDiIHkI0
説教はいいからいいからだまって続き待てや
俺は二宮切れたとこでもやもやがちょっとすっきりした

757: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:55:46.54 ID:0WcdKNY0
レス返しするの自重するんじゃなかったのかよ

765: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:58:36.78 ID:igSjZhIo
いや。
これは本編の状況説明にもなるだろって思ったんだ

766: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:58:53.04 ID:0W.zAnUo
これは社会に出てみないと分からない感覚なのでは?
しかし二宮律儀すぎるww

767: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:59:25.46 ID:Gigt2f.0
誰もその状況を詳しく知りたいとは思ってないよ

769: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:59:43.94 ID:T/9MLeco
昔話なんだから今はニノも充分分かってると思うから自重しなよ

773: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:00:50.59 ID:igSjZhIo
エレベーターで3階に到着した。
もうすぐ部屋だ。
やっと眠れる・・・。

すると俺の部屋のドアが開いた。

中からはまりあが出てきた!

なんで・・・?
なんでだよ・・・?

ドクン・・・。ドクン・・・。
俺の胸がまたあの嫌な高鳴りを始めた。

俺の存在に、まりあはまだ気づいていなかった。

中に向かって「おかずは温め直してね。」と言っている。

中にいるのは。

当然・・・。悟だ。

その瞬間俺は拳を握った。
この感情の正体は・・・。嫉妬心じゃない。

怒りだ。

部屋を出たまりあが、俺に気づいて驚いた顔をした。

「光輝くん・・・。」

「・・・・・・」

「顔色悪いよ。大丈夫?」

「・・・・・・」

「今ごはん作って、お部屋に置いておいたよ。食べられる?」

「・・・・・・」

俺はなんとか冷静さを保とうとした。

以前俺が渡辺の部屋から出てきた時
まりあだって同じ気持ちだったに違いない。

776: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:01:50.69 ID:T/9MLeco
>>773
あああああああああああああ('A`)('A`)('A`)('A`)

800: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:07:33.59 ID:igSjZhIo
それに、彼女と親友が・・・。
と考えている自分に嫌悪感すら覚えた。

俺は必死に声を振り絞った
「大丈夫。ちょっと仕事・・・。疲れて・・・帰ってきただけ。寝るね・・・。」

それだけ言うと、俺はまりあの横をすり抜けて自分の部屋へ入っていった。

リビングに入ると悟がTVを観ていた。

俺に気づくと
「おお!光輝やっと帰ってきたのか!!少し顔色悪いぞ・・・。どうした?」と聞いてきた。

俺は「別に・・・。」というとテーブルをチラッと見た。
食後の食器が2つ・・・。

そうか。
お前とまりあが飯食ってたのね。ここで・・・。

そんな俺の視線を気にする様子も無く
「まりあちゃんが飯作ってくれてるよ。いまから食う?」
と言って悟は冷蔵庫に向かって行った。

「いや・・・。いらないや。寝たいんだ。悪いけどTV消すね。」
俺はそう言ってTVのスイッチを切った。

悟は心配気な表情で
「おいおい!大丈夫かよ?光輝」と聞いてきた。

俺はそのまま黙って布団に潜りこんだ。

そうだよ。
俺の大好きな2人が仲良くやってくれてんだよ。
俺もそれを望んでいたじゃん。
これでいいんだよ。

そうやって自分を納得させながら目を閉じた。

802: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:07:46.63 ID:5EQIymc0
なんで二宮はさとしを部屋から追い出さないんだ?
ここまできたらもう友達とかどうでもいいだろ

807: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:09:01.06 ID:DtKMIB.o
>>802
確実にまりあの部屋に行くぞ

803: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:07:56.05 ID:DtKMIB.o
まりあもまりあだよな・・・
手料理作ってあげてたなんて。
自分の残りをあげるんじゃなくて部屋に行って作ってるとか

804: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:08:03.99 ID:QofJL5so
そうか、何か足りなと思ってたけど、
油さまの活躍が著しく足りないんだ!

810: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:09:44.26 ID:oPhGj0M0
>>804
ですよねー
油田がもっとニノの時にやったようなお邪魔虫攻撃さえしていてくれれば!!
そしたら食器は3つだったはず!

814: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:10:58.37 ID:duIx6QY0
>>804
油もニノとまりあがつきあってるって知ってたから自重してたんじゃないの?

809: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:09:17.10 ID:YHXeRCg0
にのもまりあも悟もかなり配慮が足りんかったな。
つまり若いって事なのか。

811: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:10:01.27 ID:ePLooRQ0
仕事で疲れたのはわかるが
二人へのニノの対応も悪いな・・・

815: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:11:08.27 ID:G5CV/6k0
>>811
仕事で疲れてたら多分こんなだよ、よっぽど人のいいやつじゃないとww

812: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:10:13.88 ID:wDiIHkI0
油と渡辺以外みんな配慮がたりないな。

829: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:13:18.79 ID:igSjZhIo
第18章 崩壊

次の日、俺は起きた時からなんか変な感覚した。

自分の体が自分の物でないような妙にフアフアした感覚とでもいおうか・・・。

第三者的、神の視点から自分を見ているような・・・。

しかし見下ろしている俺は、決して生物ではなくただの蛋白質の塊というか・・・。

言葉ではどう表現すればいいのか分からない
とにかく変な感覚であった。

時計を見た。
9時か・・・。

横では悟が本を読んでいた。

「おはよう」
俺は悟に挨拶をした。

悟は俺の挨拶に気づくと、心配そうに言った。
「おはよう。お前大丈夫か?体調悪そうだぞ?」

「うん。大丈夫」
俺はそう言って洗面所に向かうと、顔を洗ってリビングに戻った。

悟が「会社に行くのか?」と聞いてきた。

「いくよ。もちろん。」
俺はそう答えながら
すぐさま出勤の準備に取りかかった。

「昨日の夜。隣の渡辺さんが訪ねてきたぞ」

「渡辺が・・・。なんて?」

「いや。寝てるって言ったら、帰っていったよ」

そうか。
恐らく会社で俺のことを聞いて、心配をして来てくれたのだ。

835: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:15:10.35 ID:GJYMve20
渡辺いい子だなー

845: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:17:11.23 ID:GJYMve20
ニノがなぜ渡辺に恋しないのかわからない

846: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:17:36.21 ID:igSjZhIo
あれ?なんかおかしい。
自分が・・・。

普通なら渡辺のそんな行動を、有り難いと思うのだが・・・。
もちろん有り難いとは思うのだが、その感覚がおかしいのだ。

行動の側面を捉えて、脳でありがたいと考えているような・・・。
普段ならば、湧き上がってくる「気持ち」で「感じる」ものなんだが・・・。

なんだか自分がよく分からなかった。

会社にも普通に出勤できた。
昨日あれだけのことをしたのだ。

恥ずかしさや、申し訳なさがあって当然なのだが全くなにも感じない。

自分のデスクに座ると
極めて事務的に、モーニングステーションの再撮の準備を進めた。

恐ろしいほどに、作品に対する情熱が失せていた。

なんだかんだ言っても、昨日までは忙しい中にもディレクターのこだわりは持っていた。

ここを直せばもっと良くなる!!
ここはこうしなければ!!

そんな昨日までの情熱は消えていた。

ただ淡々と、ただ淡々と仕事を遂行していった。

849: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:18:28.73 ID:U/EXZUMo
なんか人間不信になりそうだ

852: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:18:47.95 ID:2E1isdc0
やべえ廃人化してきてる・・・・・・・・

862: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:22:02.12 ID:YoKB5MDO
まぁまりあも二宮と付き合う意味がわからなくなってきてんだろうな
近くには時間があって優しいイケメンがいる
それでも本当に好きなら貫き通せるはずだけどな

二宮がここまで殺人的な忙しさではなく、一般的な社会人の忙しさでもまりあは悟にいった気がするわ

863: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:22:02.28 ID:YHXeRCg0
まりあも悟もニノ本人が感じてる恐怖とどれぐらい無理をしてるかってのが想像つかんかったんだろ。
まりあも悟もボーナスもないけど失点も無いって感じじゃね?

864: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:22:04.32 ID:oPhGj0M0
まりあはまりあの生活ペースあるだろ
学校行ってバイトして夕飯は自分のも作るついでに3人分作ってるだけでさ
看病しろとかまでは無理だろ

893: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:28:52.12 ID:Xs1HoV6o
...二宮だいじょうぶか?

900: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:30:10.05 ID:igSjZhIo
>>893
うんうん。
正直書いていて楽しいシーンではないけどね。
ちゃんと書いてるよ。
ありがとうね

895: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:29:03.92 ID:igSjZhIo
旅日記が無くなったので、正直随分と楽にはなった。
こうなればモーニングステーションだけでも無事に完成させなければ。

仕事が1つ減ったからといって、激務に変化は無い。
俺の徹夜と、会社への泊り込みはそのまま続いた。

その間もまりあは、頻繁にメールをしてくれた。
メールの文章には、日増しに悟の文字が多くなっていった。

悟・・・。悟・・・。悟・・・。悟・・・。

たまに油田・・・。か・・・。

そりゃそうだ。
あいつは俺なんかより100倍楽しいヤツだ。
そりゃそうなるよ。

そのメールの数々は、俺の知らないところで
まりあと悟が会っているということを、如実に物語っていた。

俺はそれらのメールに適当な返事を返した。

なにか大きな波があって、いくら抵抗しても飲み込まれていく。
俺はあがくを止めて、その大きな波の思うがままに飲み込まれようと思っていた。

898: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:29:11.90 ID:.9JUFcDO
まりあ株暴落

899: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:29:45.16 ID:Mhlb1Vw0
渡辺の株が急上昇です!!!

911: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:33:46.78 ID:igSjZhIo
苦労の甲斐もあってか、モーニングステーションのVは無事完成した。
それでもO.A前日の午前中というギリギリの納品だ。

木下さんは「またお願いしますよ!二宮さん」と言って俺の労をねぎらってくれた。

さぁ・・・。どうだろうな・・・。
次は別のディレクターが、担当するんじゃないの・・・?

俺は曖昧な笑顔を返しておいた。

俺は納品からの帰り道を、トボトボと歩いていた。
長尺物をやり遂げた喜びはあまり無かった。

やっぱり旅日記の件が胸を締め付ける。
あの後、旅日記のディレクターは見つからなかった。

そりゃそうだ。
俺の報告が遅すぎた。
あんな制作期間で引き受けるディレクターなどいるはずもない。

結局は白井さんがP・D(プロデューサー・ディレクター)をするハメになってしまった。

本当に申し訳ない気持ちで一杯だった。

俺が会社に戻ると偶然、渡辺に会った。
そういえば渡辺に会うのも、随分久しぶりであった。

935: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:38:30.15 ID:igSjZhIo
「おう。渡辺!」

「二宮くん・・・。元気だった?」

俺と渡辺は昼食がてら、会社の近所の喫茶店に行った。

「ごめんな。渡辺。なんかこの前、来てくれたんだろ?夜」

「うん。会社で聞いてさ・・・。心配だったから。」

俺は胸がジーンときた。
心配してくれる人がいるって、本当に幸せなんだな。

「あの後もね。二宮くん会社で見かけたけど
なんか声掛けづらくて・・・。忙しそうだったから・・・。」

「ありがとうね。渡辺」
俺は感謝の言葉を口にした。

渡辺は「ううん」と首を振って。

「私がミスした時も、二宮くんが心配してくれたじゃん。」
と言ってニコッと笑った。

俺と渡辺は、昼食を食べながら色々なことを話した。
本当に心が和む瞬間だった。

すると突然、渡辺が言い出した。
「二宮くん。気を悪くしないでね。」

ん・・・?

「二宮くんの部屋にいる・・・。友達・・・。」

ドキッ・・・。悟のことだ。

「な・・・なによ?」
やばい。少し声がかすれたかも。

944: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:39:42.36 ID:.9JUFcDO
あ…あ…(´;ω;`)

950: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:40:25.69 ID:guUo1VM0
いやああああああああああああああああああ

974: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:42:49.96 ID:igSjZhIo
「あまり・・・良くないと思うんだ。やっぱ・・・」
渡辺が慎重に言葉を選んでいるのが分かる。

「まりあちゃんと部屋を・・・。行き来してるみたい。
私が見たのは1回だけど・・・。
なんとなく多分・・・。そんな感じがする。」

かなり言いにくそうだが、渡辺の言いたいことは分かった。

例え見たのが1回でも、渡辺なりに何か感じるところがあったのであろう。
女の勘というやつだろうか。

俺は急に目の前が、真っ暗になるような絶望感に襲われた。

「うん・・・。」
俺にはその一言を返すのが精一杯であった。

982: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:44:02.77 ID:YHXeRCg0
いやまあマジレスすると悟手え早すぎだろ。

984: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:44:07.83 ID:YQCdj6AO
あいつらあああああああ

989: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:44:42.56 ID:C8k3SIYo
にのみやは めのまえが まっくらに なった。

オーキドはか 

999: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:45:37.51 ID:Xs1HoV6o
1000ならみんなに幸せな未来

1000: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:45:38.59 ID:OD6/vUk0
1000なら悟はわかめふりかけ

引用元: ・憧れの1人暮らしで隣人に恋したパート6

16: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:46:13.25 ID:G5CV/6k0
前スレ1000意味わかんねぇwwwwww

17: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:46:25.13 ID:NCs45DM0
前スレで1000とったやつちょっとこいwwwwww

18: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:46:47.91 ID:KHrhDLM0
前スレ1000意味ワカメwwww

21: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:47:11.01 ID:igSjZhIo
次の日、俺は生放送のO.Aに立ち会っていた。
その間もずっと思い出していた。

昨日の夜。
渡辺の忠告を聞いて、重い気持ちでマンションに帰った。

部屋に入ると、すぐに悟が切り出してきた。
「まりあちゃんが、夕飯用意してくれてるそうだぜ!行こうぜ。光輝」

俺はこの時、親友の悟を初めてウザいと思った。

なんでお前らはいつも一緒にいるんだよ?
なんでいつも、俺をおまけみたいに誘うんだよ?
なんでお前に誘われなきゃいけないんだよ?

嫉妬心以外の何者でもない。

でも俺は黙ってついて行くことにした。

怒るのも面倒くさい。
怒ったところで
「なにヤキモチ焼いてんだよ?」など言われたら余計に惨めだ。

32: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:48:55.04 ID:DtKMIB.o
用意してくれてるって知ってるってやっぱり結構コミュニケーションあったんだよな
悟うぜええええええええええええええええええ

39: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:49:40.35 ID:5EQIymc0
F5が爆発しそうなんだぜ

55: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:52:04.06 ID:igSjZhIo
3人で夕飯を食べても、ちっとも楽しく無かった。
なぜか空しい疎外感しか感じなかった。

俺は自分が食べ終わると、サッサと部屋に戻った。
2人を部屋に残してくることにすら、抵抗が無くなっていた。
いま悟を連れ出したところで、どうせ俺の仕事中に会う。

それに1人になりたかったのだ。
あの朝から続く気だるさ、無気力症候群とでもいうのか・・・。

この時は気づいていなかったが、俺の精神崩壊は始まっていた。

モーニングステーション2回目のディレクターもあっさり俺に決まった。

理由は、みんな忙しいという極めてシンプルなものだった。
片桐さんの言った「ディレクター持ち回り案」も結局は嘘っぱちであった。

今月、3週目は他のプロダクションが担当する。
次の俺の担当は4週目。
本来なら、俺がディレクターの旅日記がO.Aしている週だった。

制作期間は2週間だ。

また徹夜の連続で会社に泊まる日々か・・・。
なーに。それも免疫がついて、丁度いい。

56: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:52:08.01 ID:NCs45DM0
あの時、遊びに来させなければこんなことには…
いや、どうだろう、寂しさ故に悟じゃなくても違う男と…
そんな事考えたらキリねぇか

66: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:54:20.18 ID:6KxBKlA0
>>56
そうだ、油田に行ったかもしれん

83: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:57:24.66 ID:igSjZhIo
この時の俺は、完全に諦めの境地に入っていた。
家に帰るのも嫌だしな・・・。

全ての流れに対して逆らうつもりも、その元気もサラサラ無かった。

精神崩壊は、完全に鬱の症状を引き出していった。
携帯を見ると吐き気がするようになっていた。

それが、仕事関係でも、まりあでも、悟でも渡辺でも、(油田でも)・・・。

着信もメールも確認がつらくなっていた。

でもそんなバラバラになっていく、俺の心の中で一つだけ確かなものがあった。

まりあが好きなんだ・・・!

それだけが崩壊していく精神をギリギリのところで支えていた。

93: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:59:19.59 ID:YoKB5MDO
まりあも悟もうざいが、二宮も自分の意見言わなすぎだなぁ
彼女なんだからはっきり言っとけばなぁ

98: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:00:03.67 ID:ePLooRQ0
>>93
いまさらなんもできないのが悔しいな

108: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:05:11.34 ID:igSjZhIo
モーニングステーションの2回目のO.Aも無事終えた。
でも無事というのかな?この場合。

適当に書いた台本で、適当にロケして、適当に編集しただけだ。
そこに「魂」や「情熱」は全く入っていない。

ずっとこんな感じのディレクターになってしまったらどうしよう・・・。

そんなクズみたいなディレクターになってしまったら・・・。

人に何かを伝えたい!
自分の想いを形にして、電波に乗せたい!

そうして思って入ったこの業界だった。

しかし当初の目標を見失いつつあった。

無気力が、俺の情熱も覇気も全て奪っていく感じがした。

115: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:07:03.14 ID:igSjZhIo
お疲れさま今日はここまで。
なんとか日曜には終わるかな・・・。

もし質問があれば!

俺からの質問ですがF5ってなに?

118: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:07:43.50 ID:ePLooRQ0
いまも渡辺と油田は隣に住んでるの?

145: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:11:18.73 ID:igSjZhIo
>>118
うーん。先読み系はやめとこうか

119: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:07:57.80 ID:DtKMIB.o
F5はスレ更新だよ。
投下を早く読みたいってことさ

145: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:11:18.73 ID:igSjZhIo
>>119
ありがと!

120: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:08:05.44 ID:wDiIHkI0
いや、雑談する時間あるなら次投下してくれたほうが・・・なんでもない

145: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:11:18.73 ID:igSjZhIo
>>120
ごめん。ちょっとしんどいんだ。ごめんね

135: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:09:36.29 ID:5EQIymc0
二宮君と渡辺の関係を詳しく

158: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:14:53.03 ID:igSjZhIo
>>135
同期だよ。
極めて信用している同期であり良きライバルだよ

138: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:10:32.64 ID:YoKB5MDO
まりあの男性遍歴教えてくれ
渡辺も

162: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:16:43.13 ID:igSjZhIo
>>138
書いていいの?
今後書く予定はあるけどそれまで待ってね。
渡辺は知らないwwww

139: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:10:34.62 ID:iMVfzwI0
ああ、そっか。
ヤッてないなら別に形だけの付き合いじゃん。
別れたところでなんとも。

150: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:11:49.63 ID:6KxBKlA0
>>139
好きだって気持ちは強かったんだから、辛いだろうよ

142: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:10:52.28 ID:YQCdj6AO
三人で食事してる時、さt(ry とまりあは2人で楽しそうに喋ってた?

162: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:16:43.13 ID:igSjZhIo
>>142
うん・・・。

144: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:11:17.79 ID:DtKMIB.o
この時点で悟はなにをしていたの?
細かい行動とかじゃなくてバイトとかしてたの?

168: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:19:42.79 ID:igSjZhIo
>>144
丁度貯金溜めて、バイト全部切って旅立ち直前でした。
そんで正月に俺に会って旅先を俺の所にしたって感じ

174: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:22:19.72 ID:DtKMIB.o
>>168
じゃあ毎日二宮の家を拠点にまりあと会うことしかしてなかったのかな
近くに知り合いは二宮しかいないだろうし

197: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:31:51.09 ID:igSjZhIo
>>174
いやいや。
もちろんその辺ブラブラしてたよ。
俺の家拠点で、遠出もしてたみたいよ

146: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:11:20.69 ID:Xs1HoV6o
二宮乙!
質問ひとつだけ。

鬱?燃え尽き症候群は現在なおったのか?

168: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:19:42.79 ID:igSjZhIo
>>146
うん。なんとかね。
でもこれ書いていて頭痛はすごい。
そういう面では・・・どうなのかな?

175: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:22:57.45 ID:YHXeRCg0
>>168
なんか冗談になって無かった気がしてる
すまん……

197: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:31:51.09 ID:igSjZhIo
>>175
キニスルナ

151: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:11:53.34 ID:YHXeRCg0
ニノDT臭いしリードしてあげたらよくね?
俺がレクチャーしてやんよ
みたいな

155: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:13:24.33 ID:yc6hRAUo
>>151
油田「某がリード致しますよwwwwwwwwヒョフフwwwwww」

168: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:19:42.79 ID:igSjZhIo
>>151
あはは。

175: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:22:57.45 ID:YHXeRCg0
>>168
なんか冗談になって無かった気がしてる
すまん……

197: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:31:51.09 ID:igSjZhIo
>>175
キニスルナ

154: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:13:19.38 ID:sxT5HSgo
DQN→がり勉になった事件が気になる
悟が出てきたあたりで複線回収されると思ってたんだが

177: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:23:57.49 ID:igSjZhIo
>>154
それね。
これが終わってリクあれば書くつもりだったんだけどやっぱ無理かもね。
近いうちにはもう今は長文書くのが想像できないww

176: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:23:26.98 ID:YoKB5MDO
悟はオシャレなの?
悟は今までもモテモテでプレイボーイだったのか?

197: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:31:51.09 ID:igSjZhIo
>>176
あー。おしゃれだね。
プレイボーイってか
絶えず女からは告られてたよ。

184: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:26:26.86 ID:YoKB5MDO
まりあの胸揉んだ?
現時点で(話の)

202: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:36:40.39 ID:igSjZhIo
>>184
この時点ではないよ。

193: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:30:13.72 ID:kK/05TE0
ホントなんでこんなに思い通りにいかないんだろうね・・・。 

210: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:39:22.67 ID:oPhGj0M0
ニノがそこまでではなくても多忙なのは
職か部署が変わらない限り今後もかわりないと思うし
やっぱり「ほっとかれても大丈夫なタチ・一人で別の事して機嫌よく遊ぶタチ」でなきゃ
早い段階で別れて正解なんだと思う
それにやっぱり多忙なら多忙なりの説明は必要なのに
そこすらケチってるしさ それもできないのなら一人で居るべきなんだ
言わなくても解れなんて無理だし傲慢だし

221: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 20:53:55.64 ID:igSjZhIo
>>210
あ・・・あとこれか。
1番多い質問だよね。これはこれだけは答えないとね。

全く話してないわけではないよ。
メールを返すこともあれば、電話をとることもモチロンあるわけで。
「ごめん。仕事忙しすぎて」とかは話してたよ。

だから、まりあは俺が忙しいのは知っていたよ。
もちろんまりあが、当時の俺の「尋常では無い忙しさ」をリアルに理解してたかどうかまでは分からないけどね。

学生だったし、とても口頭では要約して伝えきれる状況じゃなかったからね。
(そんな時間はさすがに無かったしね)

まぁ。まりあなりに「なんか、とんでも無く忙しいらしい」ってことは理解してたと思う。
でもさすがに48時間寝ていないって言っても、ピンとこなかったかもね。

でも理屈では理解しているから、それで飯用意してくれたりしたんだね。

そう考えると、かなり丁寧に書いていても漏れあるね。
うーん。なかなか難しいです。

俺は文章の中で、何日も帰らないけどまりあは切れない。
で表現してたつもりだけど・・・。

こりゃ残りかなり深く書かなきゃと思うと、少し大変ですww

ノシ

213: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:40:34.67 ID:0SZzjLUo
この先なにか光が見えるような展開はあるのか・・?

223: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 20:59:46.50 ID:CgmeT9Yo
女子大生なんて好きな人と恋したい時期だからな、その暇さえもらえないなら離れざるを得ないよね。
まぁあくまでも推測だが、悟には親友として手を出してほしくなかったな。

249: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 22:25:09.87 ID:39P4OAwo
結論は友達に彼女は紹介しない事ですね

250: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 22:36:53.01 ID:oWodiqMo
いや、そもそも彼女なんて作らなければ(ry

251: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 22:39:27.69 ID:LK7QzQ20
いや家から一歩も出なければいいんじゃね
俺みたくね

367: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 13:46:25.65 ID:xDrAwNEo
みんなおはよう。
俺も今日は休みです。

明日終わらせるために
小刻みな投下開始していきます。

第一弾いきます。

375: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 13:51:49.43 ID:xDrAwNEo
カレンダーは2月に入っていた。
新年が明けてからの1ヶ月は、凄まじい早さで過ぎ去っていった。

その日も俺は、気だるい気分の中自分のデスクで仕事をしていた。

そんな俺に、ある人物が声を掛けきた。

「よお!元気か?」
俺は肩を叩かれて、顔を上げる。

「川田さん・・・。」

川田さんはニヤニヤしながら
「全然元気じゃねーな。死人の面だぜ。」と言ってケラケラと笑った。

今の俺の顔は、そんなにヤバいのか・・・?

「まぁいいや!今日、仕事終わったら飲みいくぜ!」

俺に川田さんの誘いを、断る権利は無い。
それに俺も、川田さんと飲みたい。

「了解しました!早く仕事を終わらせますので。」

モーニングステーションの2回目を終えて仕事量は若干の余裕があった。

俺と川田さんは18時には、居酒屋のテーブルに腰を下ろしていた。

380: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 13:58:07.67 ID:xDrAwNEo
乾杯を済ませた後、川田さんはグイグイとビールを飲み干し言った。
「しかし、なんだな。モーニングステーションか?
あれの2回目のVを、南さんに観せてもらったけど、ありゃクズだな」

川田さんは、極めてご機嫌な様子でそう言った。

ドキッ・・・。

確かにあれは、ただ台本を書いて、ただ撮影をして、だた編集をしただけの駄作だ。
そこには「情熱」が入っていない。

同業者には分かるのだ。
川田さんほどのベテランが、それを見破れないわけがない。

「すみません・・・」
俺は素直に、師匠に謝った。

「別に俺に謝らんでいいけどよぉ」
そう言って追加のビールを注文した。

「ただお前を俺の会社に誘った時・・・。
俺は不器用だけど、一生懸命なお前と、仕事がしたいって思ったんだぜ!」

385: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 14:02:20.53 ID:xDrAwNEo
胸が締め付けられる。
確かに俺は、あの頃と変わってしまったのかもしれない。

仕事に対する情熱が、急激に減退していた。
がむしゃらに頑張る気持ちが、どこかへ行ってしまっていた。
自分を奮い立たせそうとするけれど、その方法が見つからない。

無口になった俺を見て、川田さんが聞いてきた。

「なにがあったんだ?話してみろ」

俺は川田さんに全てを話した。

自分のキャパシティを知らずに、仕事を受けすぎて白井さんに迷惑を掛けたこと。

まりあと仕事を両立できなかったこと。

そして悟の存在。

最後に、全てに対して無気力になってしまったこと・・・。

たどたどしい口調ではあったが全て話した。
きっと誰かに話を聞いてもらいたかったのだ。

386: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:04:12.93 ID:W6pQ/oAO
ツラい時って誰かに聞いてもらえると大分楽になるよな

388: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:05:20.04 ID:S.7NI9c0
痛いところをさっくり突くなぁ
眼力だなぁ

390: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:07:58.93 ID:I46.iE.0
そうすんなり言わせる川田さんがすごいよな

392: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 14:08:25.08 ID:xDrAwNEo
俺の話を聞き終えた川田さんはこう切り出した。
「まぁ。片桐のオッサンはPの資格なんかねぇな。
でも白井のババアの件はお前が悪いな。」

俺は下を向いて、ジッと川田さんの言葉に耳を傾けた。

「でもよ。お前の仕事に対する、行動は間違っていねぇよ。」

俺の・・・。
仕事に対する行動・・・?

「俺はよぉ。お前とそのねーちゃんが、結婚しようが別れようがそのショックで、ねーちゃんが自殺しようが、ハッキリ言って関係ねぇ」

相変わらず言葉がストレートな人だ・・・。

「もし今回の仕事で、俺がお前と組んでいたとして・・・。
テメーら2人のつまんねー色恋沙汰で、俺の仕事おろそかにしてたら・・・。」

してたら・・・。

「ブチ殺してたぜ!」

川田さんの声と手が小刻みに震えている。

頭でそのシチュエーションを想像しただけで怒りがこみ上げてくるのであろう。

「お前がねーちゃん優先して、俺の命削って書いた台本や、魂かけて望んでるロケを適当にしていたら、殺してたわ。」
401: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 14:14:15.79 ID:xDrAwNEo
川田さんはそこまで話すと、店員を呼んで
「あ・・・。おねーちゃん。僕お代わりね♪」と早くも3杯目に入った。

もし俺に後輩が出来て、そいつが俺のA.Dになって・・・。
俺が書いた台本や、ラッシュを適当に扱って、デートに行ったとしたら・・・。

殴らないまでも、相当頭に来るであろう。

川田さんが、真剣な口調を取り戻した。
「仕事っちゅーのは、みんな人生抱えて、家族抱えてやってんだ。
局の人間も、スポンサーも、白井のババアも、カメラマンも、音声マンも、編集マンも。
お前が考えているよりも、お前の仕事は沢山の人の人生抱えてんだ。」

「はい・・・。」
俺は自分の甘さを痛感した。

「それが仕事だ。誰もテメーの恋愛なんか知ったことじゃねー。
ついで言うとテメーの女なんか、死のうが生きろうがこっちには関係ねー。」

さすがに、まりあの顔を思い浮かべて憂鬱になる。

403: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:15:35.86 ID:4mzGYns0
ずっと川田のターン

404: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:16:14.78 ID:P4dF9DUo
好きな女のために仕事をがんばるってのも、男の働き方だと思うけどな。

406: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:18:03.49 ID:c/bgF.g0
>>404
そういうことじゃなくて、女と早く会いたいからって仕事適当にやんなよってことじゃないか?

408: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:18:18.77 ID:S.7NI9c0
>>404
この場合がんばりきれてないし(結果が出たか的意味で)

409: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:19:19.07 ID:9pulI1so
>>404
まあでも、会社のほかの人間には関係ないってことだろうな

410: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 14:19:25.47 ID:xDrAwNEo
川田さんは、俺をジッと見て
「だからお前は間違っていなかったよ!」と言った。

「はい・・・。ありがとうございます・・・。」
俺は泣き出しそうな声でそう言った。

今回の一件で「お前は間違っていない」と言われたのは初めてであった。
100%俺の間違いだと信じ込んでいた。

それだけに川田さんの言葉は、意外であり胸に染みた。

川田さんの声は明るいものに変わっていた。
「それによ。仕事が原因で男と女が別れるなんてよくある話だ。
今この瞬間に別れてるやつらもいるわ。
じゃなきゃ、付き合った連中はみんな結婚してるぜ。」

あの・・・。川田さん。俺らまだ別れてないんすけど・・・。

最後に川田さんはこう言った。
「でも、その悟ってのは追い出せ。決めるのはテメーだけどよ!」

そう言って川田さんは、なぜか俺の頭をペシリと叩いた。

411: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:20:18.96 ID:bQqr1ggo
>>410
師匠と呼ばせてください川田さん

414: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:21:10.43 ID:6Igdk.AO
そこで追い出してたら・・・・・・

420: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 14:24:24.99 ID:xDrAwNEo
川田さんと飲んだ帰り道、俺は考えていた。

俺に悟を追い出すことが出来るのか?
俺の親友であり、幼馴染の悟・・・。

俺がグレた時も、唯一それまで通りに接してくれた悟。
俺は悟が大切だ。
かけがえの無い存在だ。

しかし・・・。
まりあも大切だ。まりあも大好きだ。
でも、あの2人が一緒にいるところを見るのはこれ以上耐えられない。

そのためには、親友を追い出すしかないのか?

どうすりゃいんだ・・・?

「くそーっ!!」
俺の口からは、そんな言葉が吐き出されていた。

あの2人は、俺がこんなに悩んでいることを、知っているのか?

そんなことを考えながら歩いていると、携帯のバイブが振動した。
着信である。まりあだ。

427: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 14:28:14.63 ID:xDrAwNEo
「もしもし・・・。」

「あっ!光輝くん?まりあです。」

「うん。」

「いまどこ?今日は早い?」

「もうすぐマンションだよ。」

「そうなんだ!夕飯用意してるから食べにきてよ!」

俺はまりあの顔を見たかった。
とにかく、まりあの顔を見て安心したかったのだ。

口を開いて「行くよ」と言いかけたその瞬間!

「悟くん誘ってさ♪」

一瞬とてつもない絶望感に襲われた。

そして目の前が真っ暗になって、立っているのもつらい・・・。

悟・・・。

ダ・・・ダメだ。

言ってしまう・・・。
破滅の言葉を・・・言ってしまう・・・。

434: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 14:30:39.63 ID:xDrAwNEo
「・・・いらねーよ・・・。」
俺は絞り出すような声でそう言った。

「ん?なに?よく聞こえなかった。」

今度はハッキリとした声で言った。
「いらねーって言ったんだよ!悟と2人で食え!」

そう言って電話を切った。

もうなにもかも絶望的だ。
まりあとの関係に終わりを感じた。

435: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:31:25.46 ID:BGniNLYo
あうあう

436: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:31:46.07 ID:jzLr5wDO
テラ切なす('A`)

440: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:32:09.88 ID:A2I1zSAo
素直に2人で会いたいって言えばいいのにね

445: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:32:52.73 ID:2mi4mCA0
なんという地獄行きの片道切符…\(^O^)/

459: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:36:06.05 ID:H67Olk2o
心が痛いぜ

477: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 14:40:39.81 ID:9QpaeR20
二宮も切れていいだろ…。
神様じゃなくて、感情ある人間だぜ

579: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 16:52:28.26 ID:xDrAwNEo
携帯の電源を切り、俺は川辺に行ってボーッと座っていた。

ここはまりあと、初めてデートをした場所だ。

あの時は、まりあが大きなおにぎり作って・・・。
油田に借りた網で、小魚を追って・・・。
俺が川に落ちて・・・。
2人で笑ったよな・・・。

「楽しかったな・・・。」
俺はポツリとそう呟いた。

なんで、こんな事になってしまったんだろう?

仕方ないよな・・・。

誰も悪くはないよ。
たまたま運命の歯車が、そうやって動いてしまったんだ。

仕方がない・・・。
仕方がない・・・・・・。

俺はそうやって、自分を納得させると腰を上げた。
部屋には帰れない。
いや・・・。帰りたくない。

あんなに楽しかった、あのマンションに自分の居場所が、無くなったような気がした。

その夜も俺は会社に帰って、1人寂しく眠りについた。

586: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 16:56:43.95 ID:xDrAwNEo
悟が俺のマンションに来て、丁度1ヶ月。
全てが崩壊する日は、あっさりと訪れた。

俺はその日、会社を23時頃に出た。
いくらなんでも、ずっと家に帰らないわけにはいかない。

あそこは俺の部屋である。
逃げ隠れして、気を使う方がおかしい。

会社を出た俺はある決意をしていた。

悟には出て行ってもらおう!

そして元の生活を取り戻そう!

かなりの勇気が必要な決断であった。
電車でも、悟にどうやって伝えるべきか?
そればかり考えていた。

駅に到着してから、マンションまでの道のりも気が重い。

俺は今日、1番大切な親友を失うかもしれない・・・。

588: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 16:58:05.97 ID:TryNuCUo
怖い怖い怖い

589: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 16:59:51.43 ID:Eex1zBA0
失うのは親友だけじゃn(ry

599: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 17:04:12.31 ID:xDrAwNEo
とうとうマンションに着いた。
俺はエレベーターで3階に上がり自分の部屋のドアを開けた。

真っ暗だ・・・。

リビングに上がり、電気を点けようとして手を止める。
悟が寝ていた。

いま起こすのは可哀想だな。
そう思って、俺は暗闇の中でボーッとしていた。

その時、部屋の片隅で何かがピカピカと光った。

悟の携帯・・・?音は出ていなかった。

俺は携帯を手に取って、悟を起こしてあげようとした。

しかしその瞬間、手に持っていた携帯の光がピタリと止まった。

そして着信か、受信を知らせる光に切り替わった。

俺はそのまま、悟の携帯を元の場所に戻した。

その瞬間、俺の頭が別のことを考えた。

携帯・・・。悟の・・・。
俺の中で凄まじい葛藤が起こる。
その葛藤は数分間続いた。

そして・・・。

俺は震える手で、もう一度悟の携帯を手に取った。

609: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 17:08:37.53 ID:xDrAwNEo
やってはいけないという思い。
でも確認したいという思い。
そして安心したいという思い。

俺はそばらくの間、悟の携帯を握りしめたまま立ち尽くしていた。

「悟・・・。」

俺は眠っている悟に対して、小さく呟くとその携帯を開いた。

1度限りにしよう・・・。
2度とこういうマネはよそう・・・。

それは賭けであった。
もし今の着信が、俺の思うその人物でなければ・・・。

それ以外は何も見ない。
着信履歴もメール受信も見ない。

この着信の主・・・。
その確認は、俺の中で勝手に決めた賭けであった。

ドクン。ドクン。ドクン。ドクン。・・・・。

心臓がもの凄いスピードで脈打つのが分かる。
携帯の小さなボタンに指を添えた。
その指が震えている。

俺はボタンを押した。

そのディスプレイから、俺の目に飛び込んできた文字は・・・。

610: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:09:19.27 ID:TryNuCUo
no title

614: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:10:17.57 ID:aW.WWlQo
>>610
夫wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwまwwwwwwwwwwwwwwぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwはwwwwwwwwwwwwwwwwww

617: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:10:55.24 ID:OBSb/Yg0
>>610
てめぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
どんなタイミングwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

615: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:10:31.62 ID:LgEqjsAO
落ちつけ…素数を数えるんだ……

616: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:10:43.18 ID:TryNuCUo
ええい油田はなにをしているんだ!

621: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:12:25.72 ID:ktr6DMDO
やめて・・・やm・・・

633: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 17:15:17.79 ID:xDrAwNEo
まりあちゃん

一瞬視界がブレた。
頭に血液が昇っていくのが分かる。
同時に頭がクラクラとした。

しかし俺は体を、ピクリとも動かすことが出来なかった。

数秒だったのか?
それとも数分だったのか?

俺は我に返った。

賭けは・・・。俺の負けだった。

悟・・・。悪いけど・・・。全部見させてもらう。

最初に感じた、罪悪感は全く無くなっていた。

着信・発信・送信・受信。

最近のものは、全てまりあだった。

635: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:15:33.80 ID:bQqr1ggo
うわああああああああああああああああああ

639: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:16:17.22 ID:OBSb/Yg0
悟・・・・・・・

644: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:16:50.58 ID:ktr6DMDO
何か、俺の中でも何かが崩れていく・・・

647: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:18:26.41 ID:E2JzUmAo
まあ、落ち着け。
まだ電話だ。

まだな・・・

650: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 17:19:52.29 ID:xDrAwNEo
受信ボックスから1番古い「まりあちゃん」の文字を見つけた。
それは悟が来てから、まだ日の浅い時のものであった。

こんなに早くの段階で、2人は番号とアドレスを交換していたのだ。
俺の時とは大違いだよな。

俺は1番古い受信メールを開いてみた。
「光輝くんがかぇってこなくて寂しぃぃぃ"(ノ_・、)" グスングスン」

最初の数日は、似たような内容の物ばかりであった。
俺が忙しくて、帰ってこないまりあの寂しさが綴られている。

しかし光輝という文字は、日が新しくなっていくにつれて
その数が序々に減っていった。

「きょぅのごはんゎナニがィィ??(〃∇〃) 」

「ぃまから部屋ぁそびぃってよぃ??(*^o^*) 」

「なんか光輝くんにぉこられたよ。。(。>_<。) えーん」
これは俺が電話で怒鳴った日だな・・・。

それから2~3通あとのメール。
「(。-_-。)ポッ」

なんだこれ??

俺はそのメールの日時に1番近い、悟の送信を探した。
開いてみる。

「俺まりあちゃんのこと好きだぜぃ!」

・・・・・・・・・・。

俺は自分に問いかけた。

もう・・・。切れていいよな?

もう・・・。我慢する必要はねーよな?

656: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:21:07.62 ID:OBSb/Yg0
今まで我慢してきた事をぶちまける時が来たな!二宮!
我慢する必要なんかないぞ!

658: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:21:14.09 ID:/E1VaFE0
やっぱり悟はカス野郎だったな

662: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:21:37.67 ID:8W626o6o
悟完全に黒じゃないか
まりあから行ったんじゃなくて悟からとか・・・

663: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:21:49.25 ID:LuCTtR20
悟のことちらとでもいいやつだと思った俺が馬鹿だった!!!

665: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:22:03.81 ID:A2I1zSAo
会えたと思ったら酷いこと言われて
そんな状況を慰めてくれる奴が居ればそりゃそっち傾くわな('A`)

691: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 17:25:48.86 ID:xDrAwNEo
俺は横で寝ている親友の、胸倉を掴んで殴ろうとした。

悟・・・!!!
悟・・・・・・!!!
悟・・・・・・・・・・!!!

しかし、出来なかった。

俺は小2から、中3までボクシングをしていた。
7年間ボクシングで鍛えたこの拳・・・。

それを無防備な相手の顔面に、思いっきり打ち込んだら・・・。
鼻が潰れるどころの騒ぎではない・・・。

俺は奥歯をグッと噛み締めた。

悟の携帯をその場に置いて、俺はそっと自分の部屋を出た。

698: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:26:27.02 ID:P8ToNB2o
だいたい好き放題旅して自由人きどってる奴が常識あるわけないから
はっきり言ってただプーだしww
こうなることも普通に予想できたと思うけどな

709: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:28:49.50 ID:iJXrNwAO
あ、この展開…

ただ二ノが誤解しただけなんじゃね?
本当は悟とまりあは何にも無いのにさ。

718: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 17:30:23.04 ID:7YQ3bswo
まりあもまんざらじゃなさそうだし…
orz

引用元: ・憧れの1人暮らしで隣人に恋したパート8

46: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 21:55:20.68 ID:xDrAwNEo
気がつくと俺は、304号の前に立っていた。
とにかく誰かと、話したかった。

インターホンを押す。
しばらくすると「はい?」という渡辺の声が聞こえた。

「遅くにごめん。二宮です・・・。」

「どうしたの!?」

「ごめん。少し話したくって・・・。」

「ちょっと待ってね。」

すぐにドアが開いた。

トレーナー姿の渡辺が姿を現す。
「どうしたの?二宮くん?」

俺はうつむいて、黙っていた。

俺の深刻な状況が伝わったのか
「とにかく入って。」
そう言うと、渡辺は俺を部屋に招き入れてくれた。

48: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 21:56:02.60 ID:VKsS0W.0
そっちのパターンかwwww

51: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 21:57:21.14 ID:YaidpYAO
渡辺にかよwwwwww油登場させろwwwwww

61: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:01:29.65 ID:xDrAwNEo
「二宮くん。どうしたの?話してみて?」
渡辺の優しい声が、逆に悲しくなってくる。

自分の頭の中での、整理も兼ねながら俺はポツリ・・・ポツリと、今までの出来事を話した。

全てを聞き終わった渡辺が一言
「ひどい・・・。」と呟いた。

渡辺は立ち上がると、玄関に向かった。

「おい!渡辺!!」
渡辺が玄関のドアを開けて、飛び出して行った。

俺も慌てて、渡辺を追いかけた。

渡辺は302号のインターホンを押している。
「はい?」まりあが応答した。

「彩です。ちょっと開けて欲しい!」

「渡辺。何をする気だよ?」

渡辺は、俺の言葉を無視している。
俺は渡辺が、こんなに怒っている表情を初めて見た。

ガチャリとドアが開く。
渡辺の表情を見たまりあは
「彩さん・・・。」と言って驚いた表情をした。

まさに一瞬だった。

バチン!!!

乾いた音が廊下に響き渡った。

64: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:02:24.40 ID:dsqHDtUo
/(^o^)\

68: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:03:37.13 ID:9shmwvs0
なんかスカッとした

70: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:03:46.86 ID:12yvRy60
あ~あああああああああああああああああ!!!

72: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:03:59.87 ID:lOZEEVoo
彩姐さんと呼ばせていただくわ

85: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:06:01.13 ID:LT9RBsQo
なぐられたまりあはきょとんだろ

86: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:06:12.29 ID:esaeJcAO
いやそこはまず悟を殴るべきだろ

89: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:06:36.89 ID:xDrAwNEo
渡辺が力いっぱいまりあの頬を叩いた。

「あんたなんか!二宮くんがどんな思いで、仕事をしているか知らないくせに!」

まりあは叩かれた方の頬を押さえて、うつむいている。

いま俺の目の前で起こっている事が、現実のこととは思えなかった。

しかし・・・。

でも・・・。

そうだよな。

この辺りでそろそろ決着つけないとな。

俺は黙って部屋に戻った。

そしてリビングの電気を点けると悟を起こした。

「起きろ。悟」

う~ん。と言って伸びをしながら悟は起きた。

「どした光輝?今帰ってきたのか?」
悟は目を擦りながらそう言った。

「悪いけど出て行ってくれ。この部屋から」

悟の動きが急に止まった。
俺の顔を凝視している。

俺はもう1度言った。

「出て行ってくれ。この部屋から」

94: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:07:38.22 ID:esaeJcAO
よく言った!!

98: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:07:51.79 ID:Q5tNsHQo
言うのおせえwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwけどよく言った

128: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:13:28.76 ID:xDrAwNEo
悟は全てを、悟ったかのように立ち上がると、自分の荷物を鞄に詰め込み始めた。

俺は悟から目を背け、壁をじっと見つめていた。

悟は鞄に、荷物を全て詰め込むと
「今まで悪かった・・・。」と呟いた。

俺は悟の方を向いて、顔を見て聞いた。
「俺たちは・・・親友だよな・・・?」

数秒間の沈黙の後、悟は俯いたまま
「ああ。そうだ・・・」。と静かな声で言った。

そして鞄を持って、玄関の方へ歩き始めた。

俺は悟の背中に向けて言った。
「お前も・・・。まりあが好きなのか?」

悟が歩くのを止めた。
数秒間の沈黙。

そして玄関の方を向いたまま
「ごめん・・・。光輝」

そう言い残すと悟は、玄関のドアを開けて俺の部屋から姿を消していった。

134: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:14:04.91 ID:jp94nyko
あああああああああああああああああああ
('A`)('A`)('A`)

135: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:14:15.01 ID:So0LXc60
ごめんどころじゃねえよ。
本人の知らないところで奪おうとすんな

145: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:16:48.72 ID:u/FAuNw0
悟はホントに親友って呼べる人間だったのかな…

151: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:18:09.52 ID:YaidpYAO
>>145
まりあに出会うまではな…って俺は思う。

147: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:17:01.70 ID:0.Dq.zM0
まりあが何もせずにうつむく辺り、もう認めたもんだよな……

173: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:21:46.74 ID:xDrAwNEo
悟はがいなくなった部屋・・・。
俺の居場所が返ってきたはずなのに・・・。

あの夜から俺は、部屋に戻っていなかった。
またしても会社へ、泊まり込む日々。
生活は何も、変わらなかった。

ただ以前と違ったのは、泊まり込む理由が仕事のためでなく
極めてプライベートなものに、変化していたことだろう。

今はまりあと、会いたくなかった。
それは向こうも同じであったであろう。

その証拠に、まりあからの着信もメールも一切なかった。

渡辺とは会社で会った。
彼女は「ごめんなさい」と頭を下げた。

俺は首を横に振って
「俺のために、やってくれたことじゃん。ありがとな」
と言って渡辺に感謝した。

あの日から、3日目の夜。
俺が会社の仮眠室で、眠りにつこうとした時のことだ。

携帯が光った。
メールの受信を知らせる光・・・。

差出人は、まりあであった。

そのメールには、こう書かれてあった。
「しばらく実家に帰ります。明日の夜会えますか?」

180: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:23:35.11 ID:.rg4cgg0
まりあのメールの「か」が「カ」じゃなくなってる・・・だと・・・?

187: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:25:32.33 ID:81TuUME0
>>180
こんな状況でいつものメールだったらさすがにひくわwwwwww

189: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:25:50.08 ID:xDrAwNEo
そうか実家に帰るのか・・・。
もうあのマンションは、住んでいてもつらいだけかもね。

去年はみんなで集まって、笑いあったあの場所。

みんな(油田以外)の気持ちがバラバラになった今となっては、つらい場所でしかないよね。

こうやって1人・・・。
また1人って消えてゆくのかな・・・?

「分かりました。明日の夜、7時に俺の部屋へ来て下さい。」

明日で全てが終わるんだ。

これは予感ではない。

確信に近いものであった。

195: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:26:37.40 ID:UNKZ3rwo
油田・・・お前だけが頼みの綱だ

198: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:27:12.19 ID:esaeJcAO
油田なら…油田ならきっとなんとかしてくれるっ…!

201: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:27:31.28 ID:KwuafP60
今となっては油田って貴重な存在だったな・・・・・・

202: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:27:31.84 ID:tMzUk/go
今初めて油が恋しくなった
油に会いたい・・・

228: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:31:51.16 ID:xDrAwNEo
18時30分。
俺はリビングの電気を点けた。

見慣れたリビング。
それがなぜか、少し懐かしい感じに思えた。

「そうか・・・」俺は呟いた。

それは悟がいなくなったからか・・・。

仕事しか見えていなかった生活。
気持ちは常に、ピリピリと張り詰めてていた。

そしてたまに帰れば、そこに悟がいた・・・。

本当に安らいだ気持ちで
この部屋に1人でいるのは、久しぶりであった。

引越して来た日。

高ぶる気持ちと、不安の中で食べたカレー。
水っぽくて全然、美味しくなかったっけ・・・。

その時インターホンが鳴ったんだよね。
そこにプラスチックの容器を持ってる、まりあが立っていたんだ。

カレーのお裾分けだった。
そのカレーはすごく旨かったよ。
俺のカレーとは、比べ物にならないくらいにね。

もしかしたら
俺はその時から、まりあに恋してたのかもしれないね・・・。

その終焉の場所も・・・。ここか・・・。

249: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:36:38.01 ID:xDrAwNEo
そんなことを、しみじみと思っていると

ピンポーン。

インターホンの音がした。

相変わらず音がでかい。
俺は少し笑ってしまった。

ドアホンで応答する。

「はい・・・。」

「・・・・まりあです。」

「うん。開いているよ。入ってきて・・・」

まりあがリビングに入ってきた。

こんなに悲しそうなまりあの顔を俺は今までに、見たことがなかった。

俺はまりあの笑顔が大好きだったのに・・・。

なんでこんな事になっちゃたんだろうね・・・?

まりあと向かい合わせに座った。

お互い何も話さない。

長い沈黙・・・。

最後は俺から、キチンと切り出そう。

268: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:39:59.54 ID:xDrAwNEo
「実家に帰るん・・・だ・・・?」
声が暗い。自分でもハッキリと分かる。

まりあはすぐには、返事をしなかった。

30秒ほど経ってからやっと
「うん・・・。」
その一言を吐き出した。

「大学・・・。通える?実家から・・・。」

「うん・・・。少し遠いけど・・・なんとか・・・。」

それからまた沈黙が流れる。
重苦しい空気が、部屋全体を包み込む。

確信に・・・。
入らなきゃな・・・。

「まりあが・・・。今日会いたいってメールくれたのは・・・。
実家に帰る・・・報告?」

「・・・・・・・・・・。」

「まりあ・・・。」

聞かなければいけないよな。

俺とまりあが、次のステップに踏み出すためには
どうしても避けては、通れないんだ。

「俺・・・と・・・悟・・・。どっちが好きなの・・・?」

312: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:46:47.28 ID:xDrAwNEo
こんなに重い言葉を言った経験はそれまでの人生で1度も無かった。

今後の人生でも出来れば言いたくない。
そんな重い言葉だ。

まりあ・・・。
はっきりとした返事をしてくれ・・・。

これが俺にできる、まりあへの最後のアプローチなんだ・・・!

沈黙の中、時間だけが過ぎていった。
もう後戻りはできない。

いくらでも待つから・・・。まりあ・・・。

俺か・・・。悟か・・・。

ハッキリとした返事が必要なんだよ・・・。

次の瞬間、まりあの目から一筋の涙が流れた。

そして一言
「なんで・・・。」

しかしその言葉の、続きは無かった・・・。

384: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:56:31.00 ID:xDrAwNEo
「なんでそんなこと聞くの?」

「なんでもっと私を、かまってくれなかったの?」

「なんでこんな事になっちゃったの?」

まりあが
「なんで・・・。」の後に言いたかった言葉は、今でも分からない。

でもこの時の、まりあの苦しさは目の前にいる俺に、ヒシヒシと伝わってきた。

もう楽になっていいよ・・・。

もう苦しめたりしないからさ・・・。

まりあ・・・。

「悟が好きなら・・・。無理しなくていいよ。まりあ・・・。」

たった半年だったけど俺がまりあの彼氏として、最後に言った言葉がこれであった。

まりあは俺の言葉を聞くとしばらくして静かに立ち上がった。

そして最後にペコリと頭を下げて、リビングを後にした・・・。

まりあがいなくなった部屋で俺は一晩中眠れずに、ただ壁を見つめていた。

もうまりあが戻ってくることは無かった・・・。

俺とまりあの全ては、こうして終わりを告げた。

390: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:57:36.76 ID:PRwHByY0
オワタ・・・

393: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:57:50.39 ID:7YQ3bswo
ここで悟を選ぶのかよ…

399: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:58:08.16 ID:9pulI1so
あっさりオワタ

412: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:59:51.09 ID:YRl/OWwo
この別れ方して結婚報告送ってくる神経がよくわからん

413: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:59:53.12 ID:AAmKUQSO
それでも油田なら…

891: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 09:25:27.17 ID:KPDFtkAO
本編終わったら、二宮サイドストーリーを頼む。
その後の渡辺と油田との事とかDQN時代の事とか。
DQN時代の二宮と悟の関係を知ればまた違う感じで面白いかもしれない。

893: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 09:47:24.13 ID:2mU030Io
おはよう。
これから細かい投下していきますね。

最終日にしたいので、皆さん最後まで付き合って下さい。

>>891
本当はそれも、本編に入れるつもりだったんだ。
俺がなぜこんなにも、女に対して不器用なのかがより分かると思って。

でもこれ終わったら、当分の間長文を書くことはないかなww

901: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 09:51:43.92 ID:2mU030Io
もう俺に残っているのは、仕事だけだった。
モーニングステーション、3本目の制作期間に突入していた。

また激務が待っている。
しかし俺に、創作意欲が戻ってくることは無かった。

燃え尽き症候群なのか・・・?
鬱病なのか・・・?

この時には、体の異変に気づいていた。
まず食事の回数が減った。
いくら食べなくても、平気なのである。

お腹が減らないのである。
体を壊さないために、無理して食べているといった感じであった。
そして量を食べようとすると嘔吐した。

あとは起きるのが、極端につらくなってきた。
前までは仕事があれば、僅かな睡眠時間でもパッと飛び起きることが出来た。

しかしこの時は、いくら寝ても起きるのがつらい。
起きるのがつらいというより、起きたくなくない。

起きれば、日常生活が嫌でも始まる。
それを体が拒否しているような感覚である。

902: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 09:53:08.75 ID:0cxLHQU0
完全に鬱病の兆候だよな...?

903: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 09:54:27.98 ID:I/FfB/Uo
そうだな。鬱病の症状だな・・・

905: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 09:55:54.28 ID:2mU030Io
そして心がおかしい。

まりあのことを思うと勿論
「悲しい」「つらい」「みじめ」「切ない」などの感情が頭をよぎる。

でもその感情すら鈍ってしまって、どこか他人事にようにすら思える。

1日中頭が冴えない、ボーッとした日々が続いた。

でも仕事はしなければならない。
そこで立ち止まっていると、O.Aの日はあっという間に近づいてくる。

もうこの時は手を動かすことすらも、つらい状態で仕事に挑んでいた。

そんな毎日が続く、2月下旬のある日。
俺がマンションに帰ると、301号から出てきた油田と会った。

油田は俺を見つけると「二宮さん!」と言って近づいてきた。

「おう・・・。あぶちゃん。久しぶり。」

「お久しぶりです・・・。ところで、なんでまりあちゃん部屋を解約したんですか?」

部屋を解約・・・!!

俺はまりあが部屋を解約したことを、この時初めて知った。

906: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 09:57:37.63 ID:6sJ3CKE0
油ひさしぶり

907: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 09:57:43.55 ID:5/ALX3wo
ここで油田・・・っ!

910: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 09:58:10.75 ID:Pa/k.Dc0
あぶちゃんwwwwwwww

912: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 09:59:57.18 ID:l/px7Eko
あぶちゃんフイタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

913: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 10:01:30.56 ID:2mU030Io
「学校で教えてくれたんですが・・・。理由までは教えてくれなかったんです。」
そういうと油田は寂しそうに俯いた。

そうか・・・。油田。
お前知らなかったんだよな。

「油田・・・。俺、彼女とは別れたんだ。」

その言葉を聞いた油田は、驚きの表情を見せた。
「どうしてなんですか・・・?」

俺はそんな油田の言葉を聞いて、少し微笑んだ。。
「まぁ。色々と・・・ね。」そういって油田から離れ自室へ向かった。

俺の背中に向けて、油田が言った。
「二宮さんは・・・。出て行きませんよね?」

そこ言葉には回答せず、俺は部屋に入った。

僅かな時間だけど、4人で楽しく過ごした3階フロア。

そこから1人の人間がいなくなる。
それがまりあだなんて・・・。

半年前の俺は、想像もしていなかったな。

もうこれ以上の不幸は起こらないだろう。
これ以上は、俺にもちょっと想像がつかない。

しかし神様ってすごい。

こんな俺に最後の総仕上げを仕掛けてきた。

916: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:03:04.00 ID:AwIewYAO
まだ何かあんのかよ…

921: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:04:23.99 ID:a054anM0
もうやめてあげて

925: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 10:07:05.66 ID:2mU030Io
この時、社内での俺のポジションは同期の中でのエース格になっていた。
偶然とはいえ入社1年未満の人間が、長尺物の番組を1本任されているのだ。
他の同期は長尺物どころか短尺物すらディレクターの経験はない。
望んでそうなったワケではないが社内での期待は日増しに大きくなっていた。

それと逆行するように、俺の仕事に対する熱意は薄れていった。
しかし俺の存在価値は、会社にしかなかった。
もう無理をしてでも、仕事をして一人前のディレクターになることだけが、生き甲斐となっていた。

そんな3月の半ばのある日。
俺は制作デスクの松井さんから重要な話があると、会議室に呼び出された。

なんだろう・・・?

931: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 10:13:04.27 ID:2mU030Io
「実は・・・。二宮くん」
松井さんは、言いにくそうにしている。

「はぁ・・・。」

「来週から支社に行ってくれ・・・」

「・・・・・・・。」


俺はこの時のショックを、今でも忘れない。
本当に目の前が、真っ暗になった。

時間の流れが一瞬止まった・・・。

この時ばかりは失っていたはずの感情が、沸々と湧き上がってきた。

「あっちで頑張ってもらいたい・・・。」
その松井さんの言葉は、
これは社の命令であるというニュアンスが、ありありと出ていた。

サラリーマンである俺は、それに従うしかない。
拒否をする権利など、勿論無いのである。

支社・・・。
それはただの営業所に過ぎない。

人数は4~5人しかいないと聞いた。
本社で定年前の役立たずが飛ばされる、姥捨て山のような場所らしい。

業務は簡単な営業と、資料整理くらいだという。

そこに行くことは即ち・・・。

映像制作の道が絶たれる!

そのことを意味していた。

934: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:14:34.46 ID:0LFtUQAo
左・・・・遷・・・・・?

936: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:14:39.44 ID:aqsbXIc0
ええええええええええ
エースじゃないのかよ!!

937: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:14:45.13 ID:6sJ3CKE0
誰かからの報復行為・・・か

941: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 10:15:24.45 ID:2mU030Io
精神の崩壊はこの時、完全に成立した。
唯一の生き甲斐であり、心の拠り所であった

「一人前のディレクターになりたい」という夢すら奪われた・・・。

俺は「失礼します。」と言って会議室を後にした。

歩いている床がまるでトランポリンのようにフワフワとしていた。

後になって聞いた話だが最初の段階では、支社に送る人物のリストに俺は入っていなかった。
俺を強く推薦(嫌がらせ)してくれたのは他でもない、赤松と白井さんの紅白コンビであったという。
それでも他のプロデューサーは、必死で抵抗してくれた。
だが紅白コンビが、最後まで譲らずに寄り切った形であったという。

945: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:17:54.31 ID:Mqm5acAO
ヤツらに人の心はないのか…?

947: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:18:52.63 ID:6CIgfkAO
川田さんについていかなかったのを後悔というのは…これだったのか('A`)

946: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 10:18:15.68 ID:2mU030Io
俺は別にそれを恨んでない。

会社とは社会とは、そういう場所である。
理解も納得も出来る。

その命令が嫌であれば、それは会社を辞めるしかないのだ。

それがサラリーマンだ。

でも俺には心の支えが完全に無くなった。

なにを目標に生きていけばいいのだろう・・・。

支社に通うようになって、僅か2日目で俺は駅で倒れた。

心も体もとっくの昔に、悲鳴を上げていたのだろう。
それが限界に達して、崩壊したのだ。

気がつくと俺は、救急車の中にいた。

958: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 10:34:35.94 ID:2mU030Io
救急車の中では
救急隊員が会社へ電話を入れ、事情を説明してくれた。

救急車の中は思っていたよりも、雑然をした雰囲気であった。
救急隊員が俺に何度も、不調の具合を訊ねてきた。

そこに寝ている自分が、まるで非現実の世界にいるような感じだった。

病院に到着した俺は、血圧などを測られた記憶がある。

そしてそのままベットに寝かされた。

看護師が「ゆっくり眠っていいですよ」と優しい声を掛けてくれた。

俺はその言葉を聞いて、涙が出そうになった。

もう頑張らなくてもいいんですよ・・・。

そう言われているような気がした。

俺は目を閉じた。

院内は騒がしかったが
なぜか凄く安心した・・・。

これでやっと開放されたのかな?

もうずっと眠っていたいんだ・・・。

引用元: ・憧れの1人暮らしで隣人に恋したパート9

34: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 11:36:25.52 ID:2mU030Io
1時間ほどベットで寝させてもらった後、俺は立ち上がった。
近くにいた看護師に「もう大丈夫です。」と伝えた。

「それじゃ少し先生とお話をしましょう!」と促され
医師の前に座らされた。

医師は優しい声で
「疲れだと思いますが、心当りはありますか?」と聞いてきた。

俺は会社であったことを、適当に掻い摘んで医師に伝えた。

医師はジッと俺の顔を見つめて
「恐らく自律神経かと思いますね。」

自立神経・・・?
鬱病とはなにが違うのだろう・・・?

俺は「はぁ・・・。」と曖昧な返事をした。

医師は最後に
「診断書を書きますので、会社を2週間程度休んで
ゆっくりして下さい。」と言った。

自律神経・・・。
なんだかよく分からないが
俺の精神は、医学的に見ても病気らしい・・・。

それはやはりショックであった。

俺は診断書の入った、病院の封筒を持ってフラフラと駅へ歩いていった。

目は虚ろであったと思う。

電車に乗って向かったのは自宅ではない。
本社であった。

40: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 11:41:11.19 ID:2mU030Io
俺は会社に入ると、制作デスクの松井さんに近づいていった。

俺に気づいた松井さんは、驚いた表情をした。
「二宮くん。連絡は受けている。大丈夫なのか?」

「はぁ・・・。これ病院の診断書です。2週間程度休めとのことです」

「そうか。ゆっくり休みたまえ。」

俺はボーッとした表情でこう言った。
「いや・・・。僕・・・。会社を辞めさせて頂きます。辞表は後日郵送しますので・・・」

俺の言葉を聞いた松井さんが、ポカーンとしている。

そして辺りの人間が、ザワザワと騒ぎ始めた。

その時、会社の電話が鳴った。
そのコール音を聞いて、俺は吐き気を覚えた。

松井さんにペコリと頭を下げ会社を出た。

誰も追っては来なかった。

みんな呆気にとられている様子であった。

42: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 11:42:21.05 ID:0cxLHQU0
やっぱりか...

( ゚д゚)ポカーン

43: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 11:42:56.06 ID:4OvOg2E0
ああああ

49: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 11:43:52.40 ID:Mqm5acAO
なんという・・・

50: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 11:43:56.37 ID:4nZxgCUo
やっぱ川田さんについていったほうがよかったんだな…
人生ってわからんな…

引用元: ・【クライマックス】憧れの1人暮らしで隣人に恋したパート10

【5/5】憧れの1人暮らしで隣人に恋した




1001: 以下、おすすめ記事をお送りします: 2017年04月16日 13:24 ID:kijyomatome1