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【名無しの鬼女】 さんありがとうございます!

[投稿日時] 2018年10月24日 11:01
■体験談

大トメさんがボケて来たのか、トイレと風呂以外は立ち上がろうとはせず、放っておくとずっと座っているようになった。このままでは寝たきりになってしまうと言う事で、嫁が交代で大トメさんを連れ出し散歩に行かせていた(トメさんは鬼籍)

午後いちに用事がある為、私が午前のいつもより早い時間に義実家に行った。大トメさんは相変わらず椅子に座っていたが、TVを見ていなかった。




大トメさんはこの時間は某局の朝ドラをいつも見てるはず、遂にTVの付け方忘れたのか時間が分からなくなったのか…と私がTVを付けてあげようとしたら大トメさん「(TVを)つけんでいい!」
朝ドラ見ないんですか?と聞いたら大トメさん「辛いから見ない!」とそっぽ向く。そして大トメさんの昔話をたっぷり聞かされた。大トメさんはかなり今の朝ドラの内容に近い経験をしていて、見てると昔の辛い事思い出して居たたまれないらしい。(朝ドラの内容を知らない人はググってください)。

・大トメさんのお姉さんは結核で若くして亡くなった。
・戦時中、叔父さんが身に覚えのないスパイの疑いを掛けられて憲兵に連行され獄中で亡くなった。(相当憲兵に凹られたらしい。ご遺体はとんでもない状態だったそうだ)
・大トメさんのトメはいつも「ワタクシは武家の家柄だから!」と威張りくさり、大トメさんを「下民の娘」と見下してイビっていた。
ドラマ見てると昔の辛い事を思い出して居たたまれないらしい。特に嫁イビリに関してはきつかったようだ。午前中たっぷりと大トメトメの悪口を聞かされた。

お昼近くなって大トメさん「お腹空いたね~美味しいものでも食べに出ましょうか!」とすっくと立ち上がり、スタスタと歩いて近所のお蕎麦屋に。そこでビックリするほどたくさん食べて(普段は小食)更にコンビニでアイスをいろいろと買ってご満悦。この前までの無気力さはどこに行ったのか?と思う位大トメさんは元気になった。

「あの婆さん(大トメトメ)よりうんと長生きして美味しいもの一杯食べてやる!そしてあの世で言い返してやるんだ!」と大トメさん。私に思いっきり愚痴ってスッキリしたのか、かなりやる気が出たようた。ウトは人の愚痴一切聞かない人だから、大トメさんはかなり鬱憤が溜まってたようだ。
お蔭でその日の私の午後の用事はダメになったけど、その用事とは大トメさんを入れる養護施設の相談だった。大トメさんが元気になって暫く施設入りは不要になったから結果オーライだな。


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