bakudan_hatsugen_oldman
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【名無しの鬼女】 さんありがとうございます!

[投稿日時] 2019年04月22日 12:42
■体験談

日本全国選挙だらけでふと思い出した故大ウトの話。

この大ウトはご先祖が地元の大地主だった。しかし戦後田畑は全部元小作人さん達に取られ(自分たちは一切農作業してなかったらしい)、家宝の類は誰かに持ち逃げされ、今では過去の栄光は見る影もないド平民。なのにご先祖の威を未だに借ってる威張りんぼ爺だった。ご近所さん達に昔の話を持ち出しては「昔恩をかけてやったろう?」と(実際に恩着せたのは大ウトの父親。大ウトは当時子供で全く関係ないのに…)その恩を今返せとばかりに用事を言いつけたり金品集ったり。大トメさんやウト達に「みっともないから止めろ!」と言われても止めない。勿論家族親戚にも「俺が当主だ!」と威張りまくり。皆に心底嫌われていた。




そんな大ウトがいきなり「今度の町長選挙に立候補する!」と言い出した。皆何バカなことをと猛反対したが大ウトは無視して手続きをしてしまった。
でも選挙活動はいい加減。大ウトはただ町内をうろつきまくり住人を捕まえては「俺に投票しろよ」と言うだけ。ポスターも選挙カーも演説会もなし。まあ手伝いを命令されても誰一人応じなかっただろうけど。よっぽど当選に自信があったんだろうな。
でも若干不安があったんだろう。町外に住む親せき達に「住民票を○○町に移せ」と言ってきた。私の家にも電話があった。…バカだね。投票日まで1か月を切った時点で住民票移したって意味が全くないんだが。こんな事も知らないバカに町の行政任せられるか。

で、開票結果。大ウトの得票数なんと「ゼロ」票。大ウト本人が出した投票用紙は漢字を完全に間違えてて無効票(自分の名前くらいちゃんと書けアホ)。家族も町内に住む親戚も誰一人大ウトに投票せず。投票結果を聞いて大憤慨した大ウトは自棄酒食らって血管が切れてあっという間にあの世行き。

「投票数ゼロ」「落選候補者の憤シ」はそれから十数年経って町が隣の市に吸収合併されて町名が消滅した今でもご近所の語り草になってるそうだ。
ウト「こうやってシ後も皆親父の事忘れないんだから良い供養になるわな~」と言ってる。私も別な事で大ウトを忘れない。新婚早々に大ウトにタバコの火を手に押し付けられて「不器量でも灰皿の代わり位には役に立つな」と笑われた事は一生忘れん。閻魔様の灰皿になってろ爺。




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