街コンが流行ってた頃に出会った男の話。
初めての参加でドキドキしながら受付を済ませ、最初に指定されたテーブルにつくとまずは自己紹介から始まった。
男性陣から始まり女性陣へ、私の番は最後だったので前の人にならい名前、年齢、職業を話した途端、一人の男（以下Aと呼ぶ）が食い付いた。
AはIT企業で営業をやっているらしい。私はSEなので同じ業界だった。
他の人御構い無しで私に向かって仕事についてガンガン話し始めるA。
戸惑いながら相槌を打っていると、Aがエスカレートしだした。
A「俺が売ってるのなんてさ、ディスク1枚だよ？こんなものが何千万円もするなんて舐めてるよね」
私「いや、まぁ作る側も頑張ってるんですよ」
A「たかだかディスク1枚分のデータに高い金払わされて、客も騙されてるようなもんだよな」
お前はそんな風に思ってる物を人に売りつけてんのか。とか思いながら適当にあしらって話を変えようとするが、Aはしつこくその話を続けようとする。
居心地が悪いので早々にその席から退散した後は平和な会だった。
トイレに立った時にまたAとバッタリ会い「SEなんてデータを高額で売りつけるだけの詐欺師だ」とニヤニヤ絡まれたのを除いては。
初対面なのにあんな短時間で不快に思った人は初めてだった。